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雫の投稿に気付いたのは翌日の事だった。
練習途中の休憩時間、暇で時間を潰す為にスマホを触り、Instagramを開いた瞬間ホームに映し出された雫の結婚式の投稿。
1番に気付いた今宮は、一瞬ビクッと肩を跳ねさせてキャプションに目をやる。

「なんかA、結婚式だったらしいよ」

語弊のあるその言葉に、「はぁ?!」と1番に反応したのは、在籍中ずっと雫を可愛がっていた柳田だった。すぐに今宮の元へかけていき、スマホ画面を見せられると投稿文を読んでホッも胸を撫で下ろす。

「参列しただけか…良かった…」

「でもこれ、父方?の親族の結婚式らしいし、こっち来たのかな」

「…でもこれ、留守番って」

雫の投稿のハッシュタグである「#翔平は留守番」を指さして2人して首を傾げる。
なんでこんな曖昧に書くんだよと文句を言いたくなったが、生憎雫のインスタ投稿はコメントを封鎖している。
大きなため息をつく柳田と、それを見て笑う今宮は雫の事を頭の隅に追いやってまた練習へと戻って行った。

ドーム内の思い扉がゆっくりと開く。丁度全国放送の番組が福岡ソフトバンクホークスを絡めたコーナーをやると言うことで訪れたのだ。当たり前だが、事前に許可は取ってある。
選手に声をかけ、会話をして、選手の不必要になった私物を貰い、それをドームを訪れた人が回すガチャの景品にするというコーナー。
練習に戻る途中の柳田と今宮に声をかけ、タレントが頭を下げて不必要になった練習道具を受け取っていく。
昼間の和気あいあいとしたドームは、練習する選手とカメラの前で話す選手とで分かれていた。

カメラがドームの少し奥へと入り、出入口から離れていく。ブルペン等も見に行ったようだ。
そんな時、またも出入口の扉がゆっくりと開かれた。

その近くでしゃがみこんで休憩していた栗原は、開かれる扉に気付き次は誰だろうと立ち上がって見る為にチラリと振り返った。
一瞬にして顔をドーム内に戻したが、もう一度扉の方に顔を向ける。綺麗な2度見だ。

「あ、変わっとらんわ」

なんて栗原に気付いていない雫はドームの天井を見て呟く。栗原は小さくて大好きな彼が目の前にいる状況が飲み込めず、「えっ、え?」と何度も声に出して頭にハテナを浮かべる。

チラチラと視界の端で動く人影に気付いたのか、雫は視線を下ろした。目の前に戸惑っている栗原の姿が見えた為、
「りょーやさん!」と名前を呼んだ。

「え、Aっ、あ、おいで!」

栗原は戸惑ったまま腕を広げた。

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設定タグ:大谷翔平 , プロ野球 , 男主
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しーちゃん(プロフ) - ギータとの絡みが楽しみです^^♡ (6月2日 8時) (レス) @page22 id: 24a005106f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年5月29日 19時

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