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榊は寝る間も遊ぶ間も惜しんで勉強に励んだ。全ては光一から離れるため。
剛も何故そこまで必死に、と疑問に思いながらも直接聞くことは無かった。
「…あ。」
夕刻、買い出しから戻る剛はあの時顔を合わせた光一の姿を見つけた。光一と榊がギスギスし始めて1週間くらい経った頃だ。
横断歩道で信号待ちをしている光一に近付くと、「こんばんは」と思い切って挨拶をする。驚いたように剛を見下ろす光一だが、あの時の榊の友人だと分かるとあからさまに嫌な顔をした。
「…確か、Aの。」
「剛です。Aから色々とあなたの話聞いてたんです。あの時、会えてよかった。」
「…色々？」
「顔がかっこいいとか、頭がいいとか。Aはずっとあなたの事を褒めていた。だから、どんな奴か見てみたかった。」
信号が青に変わると、剛は歩き出す。それを追いかけるように剛の後ろを光一はついて歩く。
「でも、僕の方がAを安心させられる。あなたには勝ってる。」敵意剥き出しの剛は光一を見上げて言うと、そのまま自宅の方へと歩を進めた。
剛も、光一がAに好意を抱いている事を知った上で挑発をしていた。
剛に対する憎らしさを増幅させる光一は、眉間に皺を寄せて離れていく剛の背中を眺めていた。
数週間、数ヶ月。榊は光一とろくな会話もせず、ただ出された問題集を解いていた。隣にいる男が怖くて仕方が無かった。顔も合わせず、玄関まで見送りはするがそれだけの関係に。光一への信頼度はMAXからマイナスへ落ちてしまった。
そしてテスト返却日。
榊は剛と朝早くから学校の廊下に立って、何も貼られていない掲示板をじっと眺めていた。
「お、榊と堂本。早いなぁ、今貼るから待っててな」
副担任がそう言いながら、掲示板へ大きな1枚の紙を貼る。順位表だ。「大丈夫かな」と眉をひそめていた榊は、剛に背中をさすってもらい、何とか心を落ち着かせていた。
「お前らえらいぞ、これからも頑張れ。」
貼り終えた副担任は剛と榊の頭を無造作に撫でると、その場を離れて行った。お互い顔を見合せキョトンとした表情を浮かべた後、もう一度掲示板に掲示された順位表に目をやった。
左上から目で追っているとすぐに名前を見つけた。
1位 堂本剛
2位 榊A
と、2人の名前が並んでいる。
「A…！すごいやん！めっちゃ順位上がっとる！」
榊よりも興奮している剛は満面の笑みで喜んだ。
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宮(プロフ) - みきゅさん» ありがとうございました！私も暗いお話しか書けないんで大丈夫だったかなーと思っちゃって( ˊᵕˋ ;)最後までありがとうございましたー！また次もよろしくお願いします！*ˊᵕˋ* (2023年5月13日 8時) (
レス) id: e835b41f9a (このIDを非表示/違反報告)
みきゅ - めっちゃくちゃよかったです、自分は文才とかがからっきしなのでからっきしでうまく表せませんが大好きなお話の感じです(T . T)！初めてお気に入り作者さんに登録せていたいただきました(^.^)♡！ (2023年5月13日 2時) (レス) @page26 id: b0152c1e04 (このIDを非表示/違反報告)
みきゅ - 最近疲れてたのですが宮さんの小説更新されてて一気に回復しました〜、、！！少しずつ暗い方へ向かってる感じだいすきです(T . T)♡更新お疲れ様です！ (2023年5月12日 0時) (レス) @page20 id: b0152c1e04 (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みきゅさん» ありがとうございます！！ ; ;更新は亀ですが気長にお待ちくださると幸いです！ (2023年5月7日 22時) (レス) id: e835b41f9a (このIDを非表示/違反報告)
みきゅ - 主さんの書かれる文章はどれもすごく綺麗ですね、、表現の仕方とかとてもとても好きです。これから物語がどうなるのか楽しみです。 (2023年5月7日 22時) (レス) @page12 id: b0152c1e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2023年5月3日 1時
