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#機嫌. ページ28

家事を全て済ませた瀬波の機嫌はそんなすぐに戻る訳もなく、ソファの肘置きに背をもたれて座っていた神宮寺にずっとくっ付いていた

テレビを見る神宮寺と、その神宮寺の胸に顔を埋めている瀬波。
セットしてもらった髪に指を通し、優しく撫でてもらっていた。
彼の匂いと、骨張った手と、力加減と。全てに安心しきったまま目を細めて黙ったままでいる。


「たーだいま〜、あー疲れた」


最初に帰宅したのは岸だった。
神宮寺の背中しか見えなかったのか、「あれ、Aくんは?」と彼に問う。隠れるように背を丸めた瀬波、昼間は平気そうにしていたのだが2人だったからだろう。髪を切ったことで責められた事もあり、見せたくない欲が強くなったのだろう。


「んー、ちょっとね」

「部屋かなぁ」

「ここにいるよ、ここ。」


キョロキョロと探す岸に声をかけ、手招きをする。
岸も神宮寺の胸元を覗き込み、ギョッと目を丸くした。見えるのは赤髪、そして顔を埋めて岸の方を一切見ない瀬波がいたからだ。

めっちゃ急接近…てか、なんで赤髪?!なんて理解が追いついていない岸は瀬波と神宮寺を交互に見る。


「Aくんはしたくてした訳じゃないんだよ、勝手にブリーチされて染められてさぁ」

「は…」

「俺らが黒髪を褒めたから余計にこうなってる」

「…Aくん?こっち向いて?」


トントン、と優しく瀬波の背中を叩く神宮寺。岸の言葉にゆっくりと顔を上げた瀬波は岸の目をじっと見つめ、「どう?」なんて問う。
綺麗に染められた髪、黒色のくの字もない。神宮寺に撫でられすぎて癖がついてしまっているが、酷く崩れた様子もない。

「黒も良かったけど、赤も似合うじゃん!」と岸は笑顔で述べた。
その言葉に嬉しかったのか、安心したのか「岸くんッ…」とギュッと瞑った目元に手を当て、泣き真似をした。


「大丈夫だよ、髪また生えてくるし!」

「言い方がなぁ」


岸なりの元気付けかただろう。その言葉に瀬波も笑顔になり、そんな返事をする。
3人で和気あいあいと話していると、また扉が開かれる。同じ仕事をしていた3人が帰宅したようだ。


「…はぁ?」


と、瀬波の髪色を見て永瀬が声を出した。
眉間に皺を寄せ、ズカズカと近付いてくる。暖かい空気だったリビングが一気に冷える瞬間。
「意味分からんねんけど」と昨日と同様不機嫌MAXな永瀬。そんな彼に神宮寺が事の発端を説明しだした。

#不機嫌.→←#色.



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(プロフ) - 名無し43069号さん» わー!!ありがとうございます!励みになりますー!!!! (2022年12月9日 13時) (レス) id: eaadcb025a (このIDを非表示/違反報告)
名無し43069号(プロフ) - 超絶めちゃくちゃこのお話好きです!!!!!!!!!!!!!!! (2022年12月9日 13時) (レス) @page40 id: 1a12019006 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年12月2日 13時

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