#面接. ページ3
事務所に呼ばれたのは10人程度
女性が5人、男性が5人。
その人数の少なさに瀬波は少し不信感を募らせた。
かなりの応募があったはず。なのに何だこの少人数。2次審査でここまで絞るか？と眉間に皺を寄せグルグル考えていると部屋の扉が開き、中から男性が顔を覗かせた。
廊下に並んだ10個の椅子。
数分おきに1人入り、1人が出ていく。
5分程度の短い面接。瀬波も7番目に室内に入り、長机の前に座る人物に頭を下げた。
目の前に座るのはあの時広告で見た5人組。
そして、審査員らしき人物が3人。
椅子に座ると、「自己紹介を」と促され瀬波は口を開く。
「瀬波A、2000年12月25日生まれ、21歳。大阪出身です。」
「現在は何をしているんですか？」
「2年前に上京してから今まで、居酒屋でバイトをしています。
昨日も閉店の23時までバイトをしていたので、折り返しの電話が遅くなってしまいました。」
「趣味は料理と書かれていますが」
「バイト以外やる事も無いし、でも節約もしたいので毎日自炊しています。
居酒屋も新メニュー考えたり、キッチンを担当してます。」
審査員は瀬波に対していくつもの質問をする。
「なるほど」等小さい相槌や頷く仕草を見せ、話題を5人に振る。
話を振られるとは思っていなかったのか「あっ、え？」なんて間抜けな声を出した。
案外抜けている所があるのだろうか、スタッフと5人の会話を目の前で見ながら黙って聞いている瀬波。冷静そうに見えて心臓はうるさい程音を立てている。
「因みになんですけど、僕らの事知ってくれてたりします？」
ハスキーな声。あの大きなモニターでも確か喋ってた人だとすぐに分かる声質。
顔が良くてハスキーなんてモテる以外の何物でもないなと少し羨ましく思ってしまう。
「すみません。5人の事を見たのはこの募集の広告が初めてで。」
「そぉなんだ…！」
と彼は目を開き、驚いた様な表情をした後1人で「へぇ〜」なんて頷いている。
それからは至って普通の質問を少し。就活生ってこんな事を毎日のようにしてるのだろうかと考えた後、面接も終わり部屋を出た。
手応えも無かったし、多分落ちるだろうなぁ。バイト生活か〜なんて考えながら事務所を後にする。
明日からバイト頑張ろ〜っと、なんて伸びをしてこの日は自宅へと真っ直ぐ帰って行った。
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宮(プロフ) - 名無し43069号さん» わー！！ありがとうございます！励みになりますー！！！！ (2022年12月9日 13時) (
レス) id: eaadcb025a (このIDを非表示/違反報告)
名無し43069号(プロフ) - 超絶めちゃくちゃこのお話好きです！！！！！！！！！！！！！！！ (2022年12月9日 13時) (レス) @page40 id: 1a12019006 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮
| 作成日時：2022年12月2日 13時
