#お誘い. ページ16
ピロン、と静かな部屋に響く通知の音。
スマホを取り、画面に目をやると"永瀬"と表示されており、メッセージアプリを開いた
永瀬夜皆で外で食べる予定やからAも来てよ
彼からのお誘い、というか彼等からのお誘い。
きっと岸が皆に話したのだろう、変に気を遣わせたかと思い瀬波は断りの返事をした。流石に外食は5人で楽しんで欲しいと思ったのだろう。
瀬波俺はええよ。なんか食べとくから楽しんで
永瀬嫌。20時に××のコンビニで待ってるから来てよ
すぐに既読が付き、返事が来る。
幸い晩御飯の準備もしていなかったし、と少し考えた後「分かったよ」と返事をすると既読だけが付き連絡も途切れた。瀬波が了承した事で彼も満足したのだろう。
久しぶりの外食、あの5人が行く場所はどこなのだろうか。芸能人だからいい店知ってそう、でもこういうノリで行く場所は大体焼肉屋とか…だろうか。
そんな事を考えながらエプロンを脱ぎ、冷蔵庫横に掛けて自室へと戻る。
白基調の綺麗な10畳程の部屋。
クローゼットを開き、ハンガーにかかった服を手にし姿見の前で上下を合わせていく。
バイトと家事しかして来なかった2年間、金も余裕が無く、殆ど服を買わないでいた為全てがラフだ。
パーカーはもうこの時期暑いだろう、と却下。
だが半袖は夜寒いだろうと却下。うなされながら考えた後、結局いつものパターンになってしまった。
バックプリントの黒Tシャツ、に白のカーゴパンツ。瀬波なりの精一杯のオシャレだ。
なるべく背を高く、腰を高くさせたいという彼のこだわりの為服の裾をパンツの中にインし、少し出してそれなりのコーデに。
何度も姿見の前でおかしくないかとクルクル回転して確認し、恥ずかしさと誘われた嬉しさとで笑みを零す。
永瀬着いた
と言う彼からのメッセージ。
「了解」と敬礼する兎のスタンプで返事をし、瀬波は急いで指定されたコンビニへと向かう。まだ20時の15分前。自宅から近いからのんびりしていたのに、早すぎるメッセージに急いで大通りを走る。
「廉！」
走る行為なんて高校生以来じゃないか。息を切らしながら掠れた声で名前を呼び、コンビニ前でスマホを触る彼に手を振った。
「疲れた〜…」と呟きながら、こちらに気が付いた永瀬の隣に並び息を整える
「走ったん？」
「そりゃもう人待たせてるんやから」
「そんな待ってないで。連絡した時まだ向かってたし」
「なんやお前」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宮(プロフ) - 名無し43069号さん» わー！！ありがとうございます！励みになりますー！！！！ (2022年12月9日 13時) (
レス) id: eaadcb025a (このIDを非表示/違反報告)
名無し43069号(プロフ) - 超絶めちゃくちゃこのお話好きです！！！！！！！！！！！！！！！ (2022年12月9日 13時) (レス) @page40 id: 1a12019006 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宮
| 作成日時：2022年12月2日 13時
