#転機. ページ2
「
バイト先の年下の女の子。大学生らしく、よく学校での話を男にしてくれていた。
今日も同じシフト、休憩時間に彼女はスマホを見ながら当然瀬波に問いかける。「どれ?」と瀬波はスマホゲームをしながら彼女に聞き返す。あれ、だけじゃなんの事か分からない。
「ほら、キンプリのお世話係?ってやつ」
「キンプリ…」
「瀬波先輩が適役だと思ったんだけどなぁ」
「そういうのって女の人が大体は受かるんちゃう?」
瀬波の言葉に彼女は「甘い!」とすぐに言葉を返す。
その大きな声に驚いて無心でゲームをしていた瀬波の肩が跳ね、スマホを落としかけた。
「急にそんな声出すなや」と煩い心臓をに手を当てながら言うが、そんな事気にしていないのか彼女はまだ言葉を続ける。
「相手はジャニーズ!アイドルなんですよ?!そこに女を投入してみて下さいよ!間違いが起こり得るかもしれない!」
「間違い…」
「大体はメンバーの事を好きな人が応募してくると思うんです。絶対逆ハーレム狙ってる奴もいると思うんです!男女問わずは表面上、多分あっちはもう選ぶ人間決めてるんじゃないですかね」
至極真っ当な事を述べる彼女。
「そぉかいな…」と小さく呟く瀬波は首を傾げながら、店長に呼ばれた為キッチンへと向かった。
彼女の熱意は凄い。多分どっかのアイドルファンなのだろう。でも彼女の言う事は理解出来るし、何となく詳しくない自分でも分かる。
オーダーが入るとすぐに調理を始め、気が付けば夜も遅い時間に。
バイトも終わり、着替えを済ませスマホを手にし画面に目をやった。
1時間前に知らない番号から着信が来ている。よく分からないが、何か大事なものだったらいけないと思いすぐに折り返しの電話をかけた。
「あっ、明日…ですか」
"明日、朝9時に事務所へ"
そんな電話だった。
いきなりの事で頭は真っ白になる。一体何人にこの電話をしているのだろう。
少しの会話をした後、電話を切るとポケットにスマホをしまい店を閉める準備をしていた店長の元へと向かった。
「店長!すみません、明日のシフト別日に替えてもらう事って出来ませんかね」
「おぉ瀬波、どうした。用事か?」
「そぉなんですよ、何時に終わるかも分からんから…あれなら日曜!日曜出るんで!」
「必死だな、大丈夫だから。ちゃんと調整はしておくから明日は用事を大事にしろよ」
なんて店長は笑みを浮かべ瀬波の背中を強く叩いた。
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宮(プロフ) - 名無し43069号さん» わー!!ありがとうございます!励みになりますー!!!! (2022年12月9日 13時) (レス) id: eaadcb025a (このIDを非表示/違反報告)
名無し43069号(プロフ) - 超絶めちゃくちゃこのお話好きです!!!!!!!!!!!!!!! (2022年12月9日 13時) (レス) @page40 id: 1a12019006 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮 | 作成日時:2022年12月2日 13時