【堂本光一】ブレザー【男主】 (ページ22)

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#22. ページ22

王子様…とは。2人共というのが特に理解が出来ず、眉間の皺を深くして頬杖をついた
確かに光一はキラキラと輝いていて、皆の目を引く人物。王子と言われても何の違和感も無く、何なら納得の出来る事だと。

「どこ情報やねん…、光一は兎も角、俺は無いってそんなん」

「え、皆言ってんで？女子みたいに騒いでる奴もいるし、憧れとか言ってる奴もおるし」

「いや、は…？教室来てみたら分かるって、俺そんな待遇一切受けてへんから」

「うそ〜、気付いてへんだけやって」

Aの言葉を真に受けず、笑って流す友人に首を傾げながらも「そぉか…」とだけ呟き、コロッケパンの封を切った。
友人の数段前に腰を下ろしているA、廊下の奥から歩いてくる光一が目に入り、ぼうっと彼を眺める。周りには群がるクラスメイト、少し困ったように相手をしていた彼は階段に腰を下ろしているAが目に入ると表情を一気に明るくさせ、手を振った。

「ここで食べてたん？」

「そぉ、友達と。そっちは食べ終わったん？」

「ん、食べ終わった。卵焼きあったのにどっか行くから、」

「はは、ごめんて」

仲の良さそうに、そして心から溢れるような笑みを浮かべる光一の表情をじっと眺める友人。少し、違和感。
ただの友人としての笑顔とは少し違う、何か別の感情を抱いている様な彼に小さく首を傾げ、目線はその後ろへと。

Aのクラスメイトが彼の後ろに腰に手を当てたり、胸の前で腕を組んだりしてこちらを眺めている。
彼らの視線の先にはAがいるのだろう。表情は暗く、鋭い視線でAを刺し見えない攻撃を仕掛けているように友人の瞳には映った。

他クラスでは王子様ポジの2人。彼らのクラスでは差をつけ、光一の友人として隣にいるAを敵対視している。
彼らの中では光一がトップ、Aの顔は平々凡々に見えるのだろう。その為余計に目の敵にしている。

そんな彼らの表情を見て背筋が凍った。
こんなにもクラス毎に待遇の差が出るのか、Aの言った通り一切受けてないと。

「美味しそうに食べんなぁ」

「美味いもん、いる？」

「いやいや、俺入らへんから」

はは、とお互い笑いながら少しの時間会話をしどこか行く予定があったのか彼はAに「じゃあ」と手を振った。
Aも「また〜」と手を振り、コロッケパンを頬張る。
光一は階段を降りる前、口を一文字に紡ぎ、光の無い瞳でどこか不満そうにチラリとAの背後に居た友人に目をやった。