【堂本光一】ブレザー【男主】 (ページ21)

今日:15 hit、昨日:3 hit、合計:4,311 hit

#21. ページ21

「お、野…瀬ェ？！何その怪我！！」

教室を出れば仲のいい人の1人や2人はいる訳で、勿論必ず光一と一緒に居なければならないと言う訳では無い
昼休み、いじめっ子達に捕まって逃げられない光一を見て「どんまい」なんて心の中で唱え教室を出たA。購買で買ったパンを持ち、他クラスの友人の元へと向かうと案の定驚いた様に大きな声を上げた。

「コケてん」

「派手にいきすぎやろお前…、他に怪我してるとこ無いんか？」

「腕と膝くらい」

2人で楽しそうにそんな会話をしながら廊下を歩き、人気の無い階段へと向かう。
嫌われているのは教室内だけで、他クラスまでは伝染してなくて良かったと心底思っていた。段差に腰掛け、勢いよくパンの袋を開封した。

そんなAに少し疑問を持った友人。去年からずっと弁当だったのに、何故いきなり購買のパンなのかと。忘れて仕方なく、という事もあるかもしれないがそんなミス滅多に無い珍しい出来事。
「なんでパンを」と友人はおかずを口に運びながら問いかけた。

「弁当箱無くした」

「無くす要素あるかぁ？毎日使っててさぁ」

「あんの、今日までパン。明日からは弁当」

あんぱんを大きな口で頬張る。どうしても甘いもので最後を締める事が出来ないAは、もう片方の手にコロッケパンを持っており食べるのを楽しみにしていた。
黙々と2人とも食べる為、それ以降の会話はさほど盛り上がる事も無かった…が、特に気まずいという雰囲気も無くそれぞれが考え事をしていた

ふと友人はAを見ると教室での事を問いかける。
クラス全体の雰囲気や、クラスメイトについて。あいつが嫌いだの、あいつは優しいだのと情報があれば教えて欲しいとの事。

「あ〜。ぼく光一は好きやね」

「入学してからずっと一緒やもんな」

「せやね。一緒おって疲れへん、あと優しい」

「光一くんの隣が似合うのAしか居らへんからなぁ、皆光一イコールA！Aイコール光一！みたいになってんちゃう？」

友人のその言葉に、目線を上向きにし小首を傾げるA。似合う？イコール？なんて頭にはハテナしか浮かばず、段々眉間にシワが寄り余計頭がおかしくなってしまう
他クラスにどんな風に見えているのかと不思議に思い、友人の方を見ては真面目に「似合ってんの？」と質問を投げかけた

「え、俺のクラスは皆話してんで。2人共王子様ポジやん」

クラス毎にそんなに認識の違いが出るのか、と頭を抱える羽目になってしまった。