【 HQ!! 】忘愛症候群、終。【男主】 (ページ40)

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怪我の程度も酷くはなく、少しのリハビリで普通に過ごせるようになった侑。

今ではもう退院して普通に活躍している。

事故があった時こそテレビの報道番組で一斉に取り上げられる程、影響を及ぼした侑の事故。

今現在報道番組がこぞって取り上げているのは、宮侑熱愛報道。

復帰直後大変だろうなとは思う。
が、そんなことにしたのは侑自身。病院を出るとマスコミが押しかけてきて質問攻め。

そこで発した言葉が「あんま恋人を困らせんといて」と。
かなり柔らしい言い方になったなぁと成長を感じた。

俺は治にバレーを習いながら、そのお礼として毎日店を手伝っている。
お礼と言ってもバイトとしてだからお金も貰えてラッキーって感じだけれど。

『なんとか普通の生活になって良かった』

「ほんまな、ツムもイキイキしとるわ」

『やっぱ侑は元気じゃないと』

エプロンを首にかけ、腰の紐を結びながら返事をした。
料理のできる男って感じがするからエプロンは好きだ。
治なんか料理なんか慣れてそうな風貌で、それでイケメン。

こんなのが旦那になる奥さんはほんと幸せになるだろうなと考えてしまう。

店の隅に置いてあるテレビでは、また侑の特集。

薄くモザイクのかけられた俺の顔、病院から出てくる侑。
何回同じ映像使うんだよと少しうんざりしてしまう。
この映像を見た親は「ようやった」と何故か俺を褒めてくれた。

男同士ということは気にしないみたいで、少し救われた気がした。

「…そう、ツムと話しててんけど。」

準備をしながら、治が少し真剣に口を開いた
手を止めることは無かったが、しっかり受け答えをして返事を待つ

『おん』

「俺Aの事が好きやんか、そんでツムが3人で暮らそーやって。」

彼からの唐突な発言につい手を止めて彼を見た。
本当に真面目に、真剣に話しているような治。ドッキリや嘘という訳でもなさそうな彼。

『3人…』

「ツム、俺の事なんでも知っててんな。
勿論、俺もあいつもAの意見を1番に尊重するし無理強いもせん。
嫌やったらキッパリ断ってくれ」

治が俺を好きで…？？と、そんな気持ちを向けられていたと知らない俺は混乱しながら、真剣な眼差しを送ってくる治の目をじっと見て少し考える。

考えて考えて、俺が出した答えは一緒に暮らすと。

『侑の兄弟やし、3人は楽しいやろうし、俺は全然ええよ。
てか一緒に暮らすって話出てることすら知らんかったわ』