【 HQ!! 】忘愛症候群、終。【男主】 (ページ34)

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#34. o side ページ34

Aは毎日見舞いに行ってるらしい。
それでも侑は目を覚まさないし、精神的にも辛いだろうに。

停学になって4日目。
朝、Aから電話がかかってきた

電話の向こうで少し楽しそうで、それでも何故か声が震えていて。

「どないしたん、ツムになんかあったん？」

『いや…あの、侑は関係無いんやけど、』

「ん？」

『…停学中病院に行ったり来たりしてたんやけどな、』

ゆっくり、落ち着かせるように一言一言話し始めるA。
俺は相槌をうって話を聞く。

『た、退学なってもうた、』

「…は、」

『いやぁ！煙草吸ってる生徒指導に見つかったんが悪かったっぽい！く、口答えも…してもうたし？なぁ、』

「学校…どうすんの、」

『知らん、…分からん…俺稲荷崎行きたかって…侑と同じ学校行きたくて、頑張ったんになぁ…』

暗い気持ちを紛らわせようと大きな声で元気な素振りを見せたのもダメだったようで。
何処にいるか分からないが、涙声でポツポツと話し始めた

「…」

『…侑に言ったら殺されそうやから、起きても言わんとって。』

「…分かった」

『んふふ、ありがとぉ。じゃあ俺また見舞い行ってくる』

火曜以外時間が取れない自分に変わって毎日行ってくれるA。
感謝しかないが、そのせいで退学になったかと思うと申し訳なさでいっぱいになる。

確かに、侑に言ったら怒りそうだ。自分のせいで、と考えてしまうかもしれない

電話を切ってそろそろオープンかな、と意気込んでいるとまたスマホが鳴った。

「もしもし」

「あ、治。侑どんな感じ？」

「まだ起きひんけど、命に別状は無いで。」

「そか、…今週末時間取れたから行ってもいい？お見舞い」

電話の相手は角名だった。
俺はその要望に頷き、見舞いに行くことを許可した。

大人になっても同級生から連絡貰える侑は愛されてるんだろうなと実感する。

「銀とかは？」

「銀はまだ時間取れそうにないって」

「そっか、じゃあ俺一人で行ってみる」

そう言って電話を切った。
切れた後にAの事を言うの忘れてた、とハッとする。

まぁ、言わなかった事でなにかに支障をきたすわけでも無いし。

角名も来るんやからそろそろ目覚まして欲しいけどな。

皆心配してんねんで、侑。