【 HQ!! 】忘愛症候群、終。【男主】 (ページ33)

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#33. ページ33

侑が生きていた安心感だけで俺はぐっすり眠りにつくことが出来た。
昨日は生死を彷徨うほどの酷い状態だったのに。

翌日も、寝間着から私服に着替えて財布とスマホを持ち外に出た。
いつ侑が俺を見てもいいように、ある程度のオシャレはして。

そして、停学中とかどうでも良くなり今日もまた学校の前を通った。

この時間帯はよく一服している生徒指導がいる。

「おい大瀬、昨日の口の利き方はなんやねん。何出歩いとんねん」

今日も、塀にタバコを擦りながら俺に話しかけてきた

『今忙しいねん、話しかけんなや』

「そんなオシャレしてどこ行く気や、これからの行動次第で処分も考えるで」

『勝手に考えればええやん、学校よりも大事やねん』

俺の言い方にも非はあっただろう。
逆鱗に触れるような言い方をしたのは紛れも無い事実、俺の腕を掴んで鬼の形相で俺を見る生徒指導。

「学校以上に大事なことってなんやねん！！言ってみろ！！」

『大切な人の見舞いやけど。
先生は学校が一番大事なんよね？』

「見舞いとかどうでもええ！学校第1に考えろ！！」

『分かったから質問に答えてよ、学校が一番大事なんよね？先生は』

腕をギリギリと強く掴まれる。
振りほどこうにも力が強く、ビクともしない俺の腕。
相手は「そうや！学校が一番大事やぞ！」と声をいっそう張り上げた。

『じゃあその大事な学校抜け出して煙草吸ってるんはなんで？
学校よりも煙草が大事やん。禁煙くらいしろよ煙草臭い』

俺がそう言うとハッとしたのか手の力が抜けた。
なにか言い返される前に、その隙をついて走って逃げだし病院まで向かった。

やっぱり遠回りして行くしかないか、と肩を落としながら病室へと向かう。

ノックするが返事がない、中を覗くと横になっている侑が1人。

静かに中に入って椅子に座った

『侑、また来たで』

そう話しかけても返事はない
分かりきったことだけど、寂しい気持ちは変わらない。

『…俺が骨折した時、侑来てくれたもんなぁ…懐かしいなぁ…』

『あん時パシってほんまにごめん、頼ってもうてた』

『あ！そういやお守り無くなった事件とかあったよなぁ、今治持ってんねやろか』

なんて、1人で会話をしていた。
侑からの返事は相変わらず無い。

悲しいなぁなんて考えて、彼の髪を撫でた。
短くなった侑の髪、色も学生時代の時よりもさらに薄くなって。

『…またバレーしてる姿見してよ、』