【 HQ!! 】忘愛症候群、終。【男主】 (ページ4)

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#4. ページ4

「大瀬、お前結構やるやん」

習い事のバレーに入って数日。
コーチに頭を撫でられ褒めてもらった。
自分でも意外とやれてるし、結構驚いている

何処でどう動いていいか、何故かよく分かる。

どこかで見ていたように、体が勝手に動いてくれる。

「今日、簡単な試合するからセッターとして入ってくれへん？」

『セッター…！』

宮選手と同じポジション。
ただそれだけで嬉しくて首を縦に振った。
友達は相手チームに入り、そこで簡単な試合が開始した。

まだ初めて数日、不慣れなところはあったけど皆にトスをする事は出来たし、得点も入れることが出来た。

俺がレシーブあげてしまった時は他の人がカバーしてくれたし、スパイクを打たせて貰ったりもした。

これがもう決まると気持ちよくて、もっと、もっとと欲を出して求めてしまいそうになる。

結局負けてはしまったけど、コーチからも褒められ同じチームからも褒められて嬉しさで顔がめちゃくちゃ緩んでいたと思う。

「Aすげー！俺Aにトス上げてもらいたい！大きくなっても、大人になっても！」

『俺も、お前にトス上げたい…かなぁ、あげること出来ひんくても、バレーは続けると思う』

「同じ中学、同じ高校行こな！」

まだ小学3年生。先の事を考えるには少し早すぎるけど友達と約束を交わした。

バレーを始める前から、ボールは何となく触ったことある感じがする。
手に馴染むというか、懐かしい大きさやなって。

それがなんなのかは分からん、けど今バレーで役に立ってるし困ることではなさそう。

習い事が終わる時間は夜遅く。
あたりは真っ暗、夏の虫の鳴き声が聞こえてくるほど静まり返った学校。

友達の親の車に乗せてもらっていつも行き来している。

「今度一緒遊ばへん？」

『ええよ、何して遊ぶ？』

「勿論バレーやろ！」

『…あ、家にネット張ってあるしな！ええよええよ！遊ぼ！』

歯を見せて嬉しそうに笑う友達
俺もそれにつられて笑顔になった。

家の前に車を停めてもらい、お礼を言って家に帰る。

『ただいまー！あ、ハンバーグの匂いする！』

ただただ楽しい毎日だった。