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嫌な女 ページ12

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さっきの片寄の言葉が焼き付いて離れない。


人間は忘れる生き物で、それは時間が経っていなくても適用するのものだと思ってた。



…のに、

「俺、本気なんで」と言い残して立ち去った片寄の後ろ姿も声も顔も、何もかもが脳裏に張り付いて離れない







玲「…おい」



後ろから声をかけられ抱え込んでいた頭を離して顔を向ければ、あからさまに機嫌の悪い佐野の姿。





玲「手ぇ止まってんぞ」



『あ…ごめんちょっと考え事してて…』



玲「どうせ涼太君の事だろ」





え、なんでこいつ分かるのよ。

もしかしてそういう能力、あったりして!?




玲「馬鹿か、んなもんねぇよ」



『いや今読んだじゃない、私の心の中』



玲「全部声に出てたぞ」



『あ、すいません…』




素直に謝れば怪訝そうな顔をもっと歪める佐野






『どうしたの?』


と、恐る恐るながらも聞けば、








玲「…ムカつく」


ただ一言。






なんなのこの男!?そんな返事されて、ムカつくのはこっちよ!!

そう心の中で佐野と対決していると、




玲「お前が涼太君の事でいちいち悩んでんのがなんかムカつくんだよ」


『え?』


玲「涼太君だけじゃない。龍友君も…臣さんの事も」




あぁ…と、声にならない声が喉から出て心臓が一気に冷たくなるような感覚がする。

やっぱりまだ克服できてないのかもな、先輩の事。







不意に思い浮かぶ登坂先輩の顔から逃げるように俯けば、





玲「お前と臣さんの間に何があったかなんて知らねぇし、なんで龍友君が知ってるのかも知らねぇ、
…つか、知りたくねぇ」




少しムッとしたような顔でそう言った佐野が俯きがちだった顔を少し上げた。


そして、









玲「でも、お前が一番辛い時にそばに居てやれるのは、俺じゃなきゃ嫌なんだよ」



真っ直ぐ私の瞳を見てそう言った。









佐野はズルい。

そんな雰囲気なんて一切出さないくせに、肝心な時にはこうやっていつも私を惑わせる。

佐野に捕われた瞳が離れない。









いや、違う。



私が惑わされてるだけなんだ、佐野にも片寄にも、他の誰かにもだって。

この瞳だって、離したくないだけなんだ、
今交わっていると実感できるこの感覚があるから。



















逃れられないんじゃなくて、逃れたくないんだ。









私、いつからこんなに嫌な女になったんだろう。

どうして→←嫌いな呼び方



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設定タグ:GENERATIONS , 三代目JSoulBrothers   
作品ジャンル:恋愛
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Honey(プロフ) - まゆさん» 感想や温かいお言葉有難うございます!!オチなどはまだ詳しく決めていないのですが、ご期待に添えるようこれからも中務さんとのお話沢山書かせていただきます!これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2018年12月3日 15時) (レス) id: 2fd9802047 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - このお話すごく大好きです!みんなも恋愛感情が色々と渦巻いていて読んでいてキュンキュンするし、考えさせられるお話です!私は裕太君が大好きなので主人公ちゃんには裕太君とくっついてほしいですけど、今後の展開がどうなるのか楽しみにしています! (2018年11月29日 11時) (レス) id: 727ab08095 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Honey | 作成日時:2018年8月28日 11時

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