嫌いな呼び方 ページ11
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『片寄、なんかあった？』
いくらしっかり者の片寄であっても、私には可愛い大学時代からの後輩なわけで、放っておくことは出来ずそう声をかけた。
すると、
涼「何でそう思うんですか？」
『なんかいつもの片寄らしくないなって…』
涼「…いつもの俺って何ですか？」
片寄が苛立った口調になっている事に気付くのは、彼がめったに怒らないからだろう。
『…ごめん』
涼「なんで謝るんですか笑」
『いや、なんとなく…』
そう言うと、はぁ、と深いため息をついた片寄が
涼「ちょっと来てください」
そう言って私の腕を引いて立ち上がり、廃れた字で『資料室』と書かれた部屋に入り後ろ手にドアを閉めた。
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涼「…なんで俺じゃダメなんですか」
『え？』
こちらを振り返って唐突にそう言った
涼「龍友君よりも早く気付いてたのに、他の誰よりも好きなのに…」
『ちょっ、片寄？』
涼「…嫌いです」
聞いたこともないような低い声でポツリと吐かれた言葉に背筋が凍る
涼「その呼び方」
苦しそうに顔を歪ませる片寄の肩に手を置くことも励ますことも、いつもなら出来たのかもしれない
でも今は…違う。
涼「初めて会ったあの日から俺のAさんに対する気持ちはずっと大きくなってるのに、Aさんの中での俺はちっとも大きくなってなくて」
悔しそうにそう言った片寄は、
「その証拠に、Aさんは俺の事ずっと『片寄』って呼ぶんです」
そうハッキリと呟いた。
『ごめん、私つい…』
涼「つい、意識してない、無意識だった。
Aさんにとって、俺は所詮その程度だって事だったんです。」
私の声を遮って悲しそうに笑った片寄は俯いた。
返す言葉がなくてただ黙っていると、
涼「だからって諦めたりしません。少しずつでいい、少しずつでいいから俺の事意識してください」
顔を上げた片寄は今まで見た事がないくらい真剣な顔だった。
そして、
涼「この際なんでハッキリ言っておきます、じゃないとAさん一生気付かなそうだから」
涼「俺は、Aさんが好きです」
強く、そう言った。
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Honey(プロフ) - まゆさん» 感想や温かいお言葉有難うございます！！オチなどはまだ詳しく決めていないのですが、ご期待に添えるようこれからも中務さんとのお話沢山書かせていただきます！これからもよろしくお願い致します(*^^*) (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 2fd9802047 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - このお話すごく大好きです！みんなも恋愛感情が色々と渦巻いていて読んでいてキュンキュンするし、考えさせられるお話です！私は裕太君が大好きなので主人公ちゃんには裕太君とくっついてほしいですけど、今後の展開がどうなるのか楽しみにしています！ (2018年11月29日 11時) (レス) id: 727ab08095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Honey | 作成日時：2018年8月28日 11時
