得と損 ページ10
『登坂先輩…』
久しぶり!
なんて言いながら近づいて来る彼は、
昔と何も変わらない。
私の、
初恋の人。
臣「どうした?
こんな時間にこんな所で。」
口元に手を当て、
優しく微笑みながら聞く彼に
ほんの少しだけ昔の気持ちが蘇る。
『実は、働いてた会社が倒産してしまって、
今日から新しい会社に入ったんです。
それで今初めての仕事としてお使いを。』
と、右手に持っていたメモを掲げる。
そっかそっか。
なんて言う先輩に軽く相槌を打ち、こちらからの質問をする。
『先輩は、
どうしてここに?』
臣「あ、実はさ…」
この世には
聞いても良かったと得をする話と、
聞かなければ良かったと後悔する話がある。
今私が聞いた話は、
臣「結婚するんだ、俺。」
紛れもなく後者だろう。
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作者名:Honey | 作成日時:2018年3月24日 19時