SEVEN PRINCESS (ページ36)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:82,954 hit

俺だけの秘密龍友side~ ページ36

龍友side～

「寝たか…」

俺の方にもたれ掛かって眠る彼女の目元には、

先程流した涙がまだ消えずに残っている。

あの時、あんな悲しそうな顔をしたこいつを放っておく事は出来へんかった

だから「彼女」だなんて嘘をついた。

空港に向かう電車の中で寝た振りをする。

泣くかな？と思ったのに、こいつは泣かずにただ真っ直ぐ前を見つめるだけやった。

飛行機で隣に座った時ちらりとこいつを見ると少しだけ目が潤んでて、

今にも泣きそうなのを必死に堪えてる様に見えた。

悲しい時はめいいっぱい泣いたらええ

耐えきれんなった俺はそんな事口走っとった。

するとこいつは、途端にプツリと糸が切れたように泣き始めた。

我慢なんてせんでええ

俺の前では強がらんでええねん

上手く慰める事は出来へんけど、側におる事くらいは出来るから。

こいつには笑っていて欲しい
こいつには悲しみなんて味わって欲しくない

だから辛くなったらまたここにおいでや。

あの男に向けられてる感情が俺の方に向くまで、

俺が君に向けてるこの感情は言わんといたるから。

今俺が告げたら、もしまた悲しくなった時誰にも頼れへんやろ？

例え涼太であろうとこんな事話せへんやろ？

せやから、俺だけが知っとったらええねん、

誰も知らへん

君の涙をな。