厄介者 ページ24
うわ出た。
私がこの世で最も苦手とする人物、
『お兄ちゃん…』
二度目のおかえりを大声で叫びながら抱きついてくる兄を引き剥がし、
『…うるさい。』
小さく呟いたその一言で一気に静かになったかと思いきや、
直「いくらHIROさんの頼みとはいえ、
あんな男だらけの所に我が妹を放り込むお兄ちゃんの気持ちを考えた事があるのか!?
それはそれはもう…、」
なんて下手くそな泣き真似をしながら私にすがりついてくる兄は
本当に私の兄なのかとこの年になった今でも疑う。
そんなお兄ちゃんに、今私の胸の中にある疑問をぶつけた。
『ねぇお兄ちゃん、
一目惚れ…ってあると思う?』
泣き真似をしていたお兄ちゃんが拍子抜けしたような顔で私を見上げる。
直「え、まっ、ちょっ、A!?
ひとっ、一目惚れ!?ぇぇええええ!?
駄目だよ、絶対許さないからね!」
私が一目惚れしたっていつ言ったのよ。
深く溜息をつき2階へと繋がる階段を重い足取りで上がる。
お兄ちゃんはまだクッションに顔をうずめて発狂中。
なんて言うか、
非常に…
疲れる。
175人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Honey | 作成日時:2018年3月24日 19時