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「ハッピーエンドでよかったね」
「うん！安心した」
上映時間寸前に席へ座り、スタッフロールが終わる前に映画館を出た私たちは、再び車へと戻った。
エンジンを暖めながら映画を振り返る。
映画自体はハッピーエンドで、最終的にお互い相手を好きになって本当のカップルになって終わりという王道なお話だった。
ただ、
「何だろう、他の人にとっては恋愛映画だと思うけど...私にとっては、特別に考えさせられる映画だった」
「そうだね、俺もそう感じた。
...正直さ、付き合ってるって嘘を付くことに関して、結構軽く考えてたんだよね。
でも...」
思い出すのは映画終盤、キスシーンに繋がる大事な所。
ソクジンが、ヒロインの言うセリフを復唱する。
「でも、”周りの人に付き合ってるって思われるって事は、手を繋いだり、キスをしたり...それ以上の事だってしてる仲だと思われるって事なんだよ”なんて言われたら...
この状況だと色々考えちゃうよね」
ソクジンが遠くを見ながら苦笑する。
「うん...」
恋愛経験の浅い私にとっての”付き合う”は、中学生のまま止まっていたみたいで。
そういう大人の関係については深く考えてこなかった。
「なんか、少し怖くなるよね」
守秘義務が課せられているから、応援してくれているファンの人たちだけでなく、友達や芸能界の先輩だって騙さなければならない。
飲み会の席で込み入った事を聞かれても、話を合わせなければならない。
「...Aは、それでも俺と嘘を吐いてくれるの？」
この言葉は...
そうだ、さっきのヒロインのセリフに続いた相手のセリフだ。
「それは、」
深く息を吸い込み、言葉を返す。
「...それでも、貴方と嘘を吐きたい。これがわたしの答えだよ」
こう答えたら、次に待つのはキスシーン...
頭に思い描いたシーンと同じように、ソクジンの顔が近づいて、
離れた。
「...ありがとう、行こっか」
「...うん...行こう」
私たちが映画の2人のようにならないのは、ソクジンの気持ちが私にないからなんだろう。
交わされなかった口付けを思い、胸が苦しくなる。
一緒に居たい。
私はソクジンと手を繋ぎたいし、キスだって、それ以上の事だって...ソクジンとならできるのに。
...それは、好きだからこそなんだ。
この痛みも、悲しみも、好きだから。
私は、ソクジンのことが好きなんだ。
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かぼす(プロフ) - alexandrite_bbcさん» お返事が遅くなりすみません...！もそもそと執筆中ですので、続編もぜひお読みいただけましたら嬉しいです〜！！ありがとうございます！ (2017年11月4日 10時) (
レス) id: 5210469033 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - 続編楽しみに待ってます(*^ω^*) (2017年10月28日 2時) (レス) id: 1a1f2fe310 (このIDを非表示/違反報告)
かぼす(プロフ) - hiroさん» お返事ありがとうございます...！気長に見守っててやってください...！笑 (2017年10月26日 18時) (レス) id: d02a56802a (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - 引っ越しは大変ですよね。落ち着くまで待ってます♪ (2017年10月24日 0時) (レス) id: 37f0a1ab89 (このIDを非表示/違反報告)
かぼす(プロフ) - hiroさん» コメント&嬉しいお言葉ありがとうございます...！！引っ越しが決まって中々更新できずにいるのですが、隙間を見つけて更新していきたいと思っているので、是非またお読みいただけたら嬉しいです〜！ (2017年10月21日 22時) (レス) id: d02a56802a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぼす | 作成日時：2017年9月10日 22時
