出会いは突然で最悪だった。 (ページ1)

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よく考えればあの日は朝から最悪だった。

前の日の夜に設定したアラームが鳴らなかったり
慌てて起きて足の小指を扉にぶつけたり
前髪が上手く決まらなかったり

言い始めたらキリがないくらいついてなかった。

『あー、本当に出張とか嫌すぎる。』

一週間前に上司に言われて今日から二週間大阪に出張となり会社のお金で行けるのは嬉しいけど、仕事で行くと言うことは自分の時間はほとんどないわけで楽しいと言う気持ちよりどんよりした気持ちで家を出た。

座席は上司が用意したくれたもので指定席だったのは凄くありがたいと思った。なんか今日は可愛い格好をした女の子たちがキャリーケースを持って普段より多く居た。

『本当に指定で取ってくれた上司に感謝。』

チケットに記載されている座席に向かえば、私が座る予定のところに男性が座っていた。マスクにメガネをしているからよく顔は見えないけど、チケットと座席を何度見返しても私が座る席だ。事情を話せば分かってくれるだろう、と思い意を決して話かけた。