寮母さん(仮) (ページ6)

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スーパーに買い出しに行けば近所のおばちゃん達に久しぶりー！と声をかけられまくり帰るのが思ったより遅くなってしまい、時計を見れば17:10で今日は帰りが早いと聞いてたから帰路を急いだ。

「んー、若い子が何食べるか分からん。明日からは聞いてみよ。」

とりあえず若いし肉でいいか！と今日の献立は唐揚げと味噌汁とサラダと冷や奴。何が好きで何が嫌いとか分からないから無難なメニュー。

下準備は出来たし後は帰ってきたら揚げるだけ。
メールのアイコンをタップすれば会社から「承諾した」と短い文が送られてきていて、会社を辞めたと実感もないけど妙に清々しい気持ちになった。

18:00過ぎに駐車の音が聞こえて火をつけ鶏肉を揚げる準備をすれば、玄関からガヤガヤと声が聞こえてきた。

福「ただいまー！今日のご飯なにー？」

小「もぉ腹減った〜」

末「ええから早よ入れって」

佐「ちょ誠也くん押さんとってください」

正「お前らリビング行く前に手洗いやで」

賑やかな声に正門くんはお母さんなのかなと笑みが溢れて、ぱっと目が合い微笑まれたら顔に熱が集中するのが分かり目を逸らした。それを誠也くんに見られてるなんて思ってもなかった。

草「おっ美味そうやん！」

正「ホンマやん、めっちゃ上手」

手放しに出来上がる料理を褒めてくれるけど、見た目より大事なのは味だと思うから口に入るまでは心配で仕方ない。

「「「いただきます！」」」

余程お腹が空いていたのが少し多めに揚げた唐揚げがあっという間にお皿が空っぽに。成人男性の食欲は凄いなと改めて感じた。

片付けをしていると正門くんもお皿を運んでくれた。

「あ、ごめんね。疲れてるだろうし、置いといて。」

正「これくらいお手伝いさせてや」

薄々は感じていたが正門くんは距離感がとても近い上にスキンシップも自然でコロッと好きになりそう。