寮母さん(仮) (ページ15)

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温もりに触れてページ15

小「よし、みんな飲み物持ったやんな？」

草「料理もAさんが作ってくれてたみたい。」

末「あっ、俺これめっちゃ好き。」

朝作ったお弁当を広げてブルーシートの上に座れば、誠也くんが隣に腰掛けて話していると反対側に気配を感じて振り向けば正門くんと目が合いぱっと目を逸らした。

正「………。」

福「まっさん見すぎやろ。」

佐「えー。俺も見るー。」

正門くんの視線に気づいた福本くんと晶哉くんが揶揄う。曖昧に苦笑いを溢せば小島くんの音頭で乾杯して今までの思い出を話し始めた。

小「…いやぁなんかこんな事なると思って無かったんよね。年近い女の人とか俺ら目当てやったらどうしようとか思ってたし。」

草「分かるわ。特に末澤とか正門のファンとかやったら厄介やなって俺も考えてたわ。」

佐「そうなんです？僕はAさんは最初から優しそうやしええなぁって思ってましたよ。」

末「……まぁ俺らも人気出てきて敏感になってたんもあるよな。」

正「でも結果良かったんやないですか。俺らがここまで来れたんはAさんなお陰でもありますし。」

福「ほんま何があるか分からんよなー。来月から俺らも東京、やし。」

みんなの気持ちを聞いてると泣きそうになる。
大好きな彼らがうちを出て東京で活躍するのだと思うと嬉しい気持ちともう会えなくなるんだと言う気持ちが混ざり合う。

しんみりとした空気に耐えきれなかったのが福本くんが突然立ち上がり一発芸を披露してくれて、それに感化されたのか小島くんや晶哉くんも笑わせようと色々と披露してくれたのにこの空間にいられる時間に終わりがあると分かるから、涙が溢れた。

末「泣かんと笑顔で見てや。…その方があいつらも嬉しいから。」

正「そうやで。お嬢さんこれ使い。」

泣く私の頭を撫でてくれる誠也くんの温もりも心配そうに眉を下げながらハンカチを渡してくれる正門くんも、どうしたん！？と心配そうに見てくる晶哉くんもおどおどしてる福本くんも、揶揄ってくる小島くんもそれを諌めるリチャくんのことも、…あぁ、好きだなって改めて感じた。