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少しずつ季節は変わり少しずつ冬が近づいてくる頃、段々と夢にあの子が出てくることが減った。
「兄貴、どうしたの？」
俺に背を向けて舘さんに調合してもらった痛み止めを口にする兄貴。
「ん？…なんか今夜、荒れるって、」
「頭痛いの？」
「ちょっとね」
どんなに体を鍛えてもこればっかりはなって笑う兄貴の弱点。
風が戸をガタガタ揺らし始め、次第に雨音が強く打ちつけるようになる
「雨、ひどいな」
「俺らもさっさと休もう」
いつもより簡素な夕食を終え床に就く。
しばらくもぞもぞ動いていた兄貴の布団が規則正しく上下するのを待って俺も眠りに就いた。
…ドン！ドン、ドンドン！ドン！！
激しく戸を叩く音で目覚めた。
未だ雨風はひどく、隣の布団の兄貴は額に汗を滲ませ寝苦しそうにしている。
ドンドンッ…！ドンドン！
雨風ではない不規則な戸を叩く音。
「誰か…いる…？」
こんな夜更け、ましてやこんな嵐の中…誰が…？
恐る恐る戸を開けると、びしょびしょに濡れた着物を着たほっそりとした男性が立っていた。
雨風がひどくてよく見えない。
「れん！」
「え…？」
突然呼ばれた俺の名前に戸惑う。
「あの、どこかで…」
「お願い！助けて！」
「へ…っ？」
彼の細い手に引かれて俺は暴風雨の中走り出した。
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うの(プロフ) - ぽんさん» コメントありがとうございます。細々と更新していきますので暇な時はまた読みに来て下さいね!(^^)! (2022年8月9日 16時) (
レス) id: 312a545c23 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 突然コメント失礼します。密かに読ませてもらっています。紫さんの出てくる作品が好きです。こぎつね、もしや紫さんもレギュラー参加の予定ですか？可愛いですね。これからも色んな短編集を楽しみにしています。 (2022年7月30日 15時) (レス) id: 06d404138f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うの
| 作成日時：2021年11月1日 11時
