7 ページ28
明朝、日課となっている野菜を採りに裏庭の畑に行く。
「おはよう」
泣き腫らした目の康二が立っていた。
「へ…っ？おま、誰が許可した？！」
「誰もしとらん」
「てか！まだ起床時間前だろ」
「いやあの話の後寝れるか！」
「…何で畑にいるわけ？」
「いやな？色々考えたんやけどな？りょーたせんせー説得するより、ふっかさんに元気になってもらった方が早いんちゃうかなーって。だって、ふっかさんがあのままやったら、俺がどんなにりょーたせんせーにお願いしても結局ふっかさん入院なってまうやん？」
「ふーん」
「ふーんて。もっと何かないんかい」
康二は経鼻カテーテルが挿入された鼻の頭を掻きながらほんのちょっとだけ笑う。
禁忌食材や栄養面で取って欲しい野菜を考慮して、1人ずつに合ったメニューに必要な食材を涼太が書いてくれたメモをポケットから取り出す。
「ふっかは、えと…人参、ほうれん草、カボチャ、だって」
「え…？」
「人参とカボチャは小屋の中。行けばわかる。カボチャは新聞紙に包んである。ほら、取ってこい」
「ん、おん！」
弾かれたように康二が頷く。
「えーと、蓮…人参、タマネギ、ほうれん草…あ、これ俺も小屋行きか…」
それから康二は俺も入ったことのない厨房へ。
「このボタン押すと回るからね。終わったらこれに入れて裏ごしするんだよ？」
「ぎゃ！音すごない？おー！めっちゃトロトロ」
涼太に教えてもらいながら赤ちゃんの離乳食みたいなふっかのご飯作りに奮闘している。
食べる楽しみを知らない康二が誰かのために食事を作る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うの(プロフ) - ぽんさん» コメントありがとうございます。細々と更新していきますので暇な時はまた読みに来て下さいね!(^^)! (2022年8月9日 16時) (
レス) id: 312a545c23 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 突然コメント失礼します。密かに読ませてもらっています。紫さんの出てくる作品が好きです。こぎつね、もしや紫さんもレギュラー参加の予定ですか？可愛いですね。これからも色んな短編集を楽しみにしています。 (2022年7月30日 15時) (レス) id: 06d404138f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うの
| 作成日時：2021年11月1日 11時
