氷と炎・1(赤青＋紫橙) ページ22
小さな四角い窓から季節を知らせる花壇が見える。
「あ、りょうたせんせーや」
病室のベッドから膝立ちして外を覗く康二が声を上げた。
「あ、ほんとだ」
携帯型ゲーム機から目を離したふっかも外を見る。
2人の声に俺も外を見遣ると雑草や枯れた花を摘んだり、水やりしたりする後ろ姿。
「りょうたせんせー！」
康二が大きな声で呼ぶとゆっくり振り返り康二を見つけるなり破顔した。
泥がついた手を振る。
無機質なこの施設での暮らしの中で季節感や癒しを感じて欲しいと涼太が1から作った花壇。
裏庭には小さいながら畑もある。
涼太の手は生み出す力を持っている。
「なー、しょった、俺も外行きたい」
康二は花壇を指さす。
「だーめ。もうすぐミルクの時間」
康二を促すとプクッとほっぺを膨らましてベッドに座り直した。
いつものように胃部に聴診器を当てる。
鼻から伸びたチューブのキャップを開けシリンジで空気を入れる。
「よし、エアー音おっけ」
点滴スタンドにぶら下げたミルク用の袋をチューブと繋ぐと、康二は見上げてため息をついた。
「今日の最後のお食事やー」
ふっかは何も言わず再びゲーム機に目を落とす。
「もうちょっとしたら持ってくるな？」
康二の呟きには返答せず頭を撫でてやると康二は迷惑そうに頭を振った。
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うの(プロフ) - ぽんさん» コメントありがとうございます。細々と更新していきますので暇な時はまた読みに来て下さいね!(^^)! (2022年8月9日 16時) (
レス) id: 312a545c23 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 突然コメント失礼します。密かに読ませてもらっています。紫さんの出てくる作品が好きです。こぎつね、もしや紫さんもレギュラー参加の予定ですか？可愛いですね。これからも色んな短編集を楽しみにしています。 (2022年7月30日 15時) (レス) id: 06d404138f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うの
| 作成日時：2021年11月1日 11時
