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あれから少し経って、俺は完全に深澤さんに懐かれたらしい。
「ねー阿部ちゃん、昨日のここどうやって解くの?」
「阿部ちゃんもこのマンガ読むー?」
「見て!お菓子もらった〜阿部ちゃんも一緒に食べよ?」
一つ前の席の深澤さんはことあるごとに椅子に横向きに座り俺の席を肘掛けにする。
はぁ、鬱陶しい。
ふわふわとした雰囲気の深澤さんは2歳下のこのクラスにいつの間にか溶け込んでいる。
「ふっかー、カラオケ行こうよー!」
「あーおれ、爆音NGなの」
「えーつまんなーい」
「あはは、ごめんねぇ」
深澤さんは手を合わせて笑う。
馬鹿みたいに平和な人だな。
いや、テストの結果見たけど確かに馬鹿だった。
ま、いいや。
帰ろうと教室を出るとパタパタと足音がついてくる。
「阿部ちゃん、一緒に帰ろ!」
「いやあの子たちと帰れば」
「まぁまあ、いーじゃん」
深澤さんは俺の父親とは生まれたときからの付き合いらしい。
「阿部せんせーはねぇ、おれの知らないおれのことまで何でも知ってるのー、すごいよねぇー」
なんて、自分の親のことを話されるの変な気持ち。
イライラする。
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作者名:うの | 作成日時:2021年10月23日 18時