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「あの、…たすけてくれて、ありがとうございます…」
初めて聞く子どもの声。
「俺じゃなくて、兄貴が」
「…でも、ぼくにごはんをたべさせてくれたのは、あなただ」
「……名前。聞いてもいい?」
「りょうへい、です」
「りょうへい」
「はい」
うつむき加減で揺れる焦げ茶の髪。
フサフサのしっぽはそれよりも少しだけ黄色みがかった明るい色をしている。
「…もう、だいぶよくなりました。このごおんは、いっしょうわすれません」
そう言って子どもは今度こそ立ち上がる。
「いや、待って待って?」
「おせわになりました」
「だから待ってって。あのね、りょうへいを助けたのは兄貴なの。俺は兄貴に頼まれてりょうへいのお世話しただけ。だから兄貴が帰って来る前にいなくなられると困るんだけど」
「でも、にんげんのせかいで、ぼくはいたんです」
…いたん?
「いたんって何?」
「………いや、なんでもないです。とにかく、ぼくは」
「ただいまー」
押し問答をしていると兄貴が帰ってきた。
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作者名:うの | 作成日時:2021年10月23日 18時