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帰り際、舘さんは笑って言った。

「てかさ、俺一応人間のお医者さんだからね？」

……やっぱりそうだよね。

この子、……このしっぽ、これって…

「キツネ」

「…だよな」

思わず口にすると、兄貴も同意した。

「どうするの？」

「元気になるまではうちで面倒みよう」

「その後は？」

「考えてなかった」

「やっぱり」

「この子の家族、どこにいるかなあ」

エホエホと小さく咳をしながら真っ赤な顔で眠る子どもをチラリと見る。

平穏な毎日でいいって思ってた。

……のに。

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作者名：うの | 作成日時：2021年10月23日 18時

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