S.S.S (ページ14)

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ぴーすふる！・1(緑桃＋all) ページ14

猫を拾った。

仕事帰り雨の公園で段ボールに入れられた小っさくて痩せた仔猫。

イタズラなのかカラースプレーでピンク色にされて、雨に濡れてプルプル震えている。

「あー…どうすっかな～…家には連れて帰れないし…」

シェアハウスの規約がなかなか厳しい。

「とりあえずもらい手が見つかるまでって交渉してみるけど、ダメだったら諦めてくれ」

腕の中で小さく震える仔猫に話し掛けると、にやぁんと小さく鳴いた。

「お、お前返事できるの？偉いじゃん」

トレンチコートの懐に猫を隠して家に入る。

「お、おかえり～」

ソファにくて～っと寝転がってテレビを見ているのがウチの管理人。

変な体制で寝ているからTシャツが捲れ白い腹がこんにちはしている。

「うん、ただいま…」

「ん？どしたー？早く着替えてきたら？」

「うん…」

「…着替えないの？」

怪訝そうに見つめる管理人ことふっか。

「あの、さ…」

おずおずと懐から仔猫を差し出すと、ふっかはピョンと起き上がった。

「こいつどしたの？」

「拾った」

「ふーん」

ふっかの表情は読めない。

飼うもしくは一時預かりは俺の交渉次第ってことか。