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紫side
２人に支えてもらい、何とか家の前まで辿り着いた。
佐久間が右手で鍵を取り出し、建て付けの良くない鍵穴に差してガチャガチャと回す。
こうしてる間にも【それ】は一歩、また一歩と距離を詰めていた。
背中は汗でぐっしょり濡れ、身体が震える。
桃「ふっか、もう少しだから…って…ぇ？」
玄関を開け先に入った佐久間が振り返った、かと思ったら丸い目を更に丸くさせて何かに驚いた顔をした。
青「んだよ、早くどけ」
翔太が訝しげに佐久間を見る。
桃「ぁ、…」
青「何？」
俺も翔太に引っ張られてふらつきながら玄関に入る。
翔太が佐久間の目線を追うのが視界に入った。
その翔太の表情も佐久間と同じように変化していく。
……その視線の先には【それ】が立っていた。
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作者名：うの
| 作成日時：2020年10月9日 20時
