【短編集】太平洋野球連盟

▽ Bs31○ ページ2

◎Bs31 side


東京での試合が終わった夜。

同球団の某先輩に誘われて足を踏み入れた、歌舞伎町。

其処では「はじめて」が多くて衝撃を感じた。


「すんごい、ですね…」
「やろ？…あ。どっか入ろっか。お店」

と、先輩と俺は、近くのキャバクラへ入った。



「いらっしゃいませ〜」
とキャバ嬢の甲高い声で耳がキンキンした。

はじめてだったので指名はせず、彼女たちが俺らのもとに来てくださって、先輩と俺を挟むような形で座った。


俺の隣に来てくださったのは…「(人1)」さんというお方。

『はじめまして』

凛とした声と他の人よりも露出の少ない服装で、不覚にもおしとやかで綺麗な人 と思ってしまった。

「よ、よろしくお願いします…」

緊張と不安？で、上手く喋れないし、(人1)さんの顔もちゃんと見れていない。

『あ、もしかして緊張してる？全っ然心配しなくてもいいからね〜』
と、背中をさすられた。


あ、やばいこれ。めっちゃ安心感あるわ。

「あ、ありがとうございます」
『えへへ、なんか初々しくて可愛いなｧ、君。』
と、頬を容赦なくつついてくる。


あれ？ちょっと身体密着してない？かる〜く胸あたってない？


『…あれ。今気づいたんだけど、もしかして、オリックスの太田くん？』

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