××× ページ26
『これで和平条約は完了です。お疲れ様でした』
「いやいや、此方こそわざわざ足を運んでもらってすみません」
和平条約の内容が記された紙を持ち、Aはペンを置いた。
相手側の首領はニコニコと此方を見ている。
Aの両端には、本日の会談の護衛であるオスマンとひとらん。
相手側の首領は、二人を横目に入れた。
「紅茶はいかがですか？我が国では、茶葉にこだわっておりましてね」
淹れたてなのか、湯気がたつ紅茶。
ふわりと香る。オスマンの指が反応した。
『なら、貴方がお先にお飲みください』
「…は？」
『出来ないですよね。この紅茶、毒入りですもんね。…古典的すぎて馬鹿みたい』
Aは紅茶を置いたペンで掻き回した。
図星なのか、首領は顔を赤くし、背後の兵士に銃を向けさせる。
「黙れ小娘！貴様など今ここで…！」
『ここで？』
兵士がバタバタと倒れていく。
首領は顔色を変えた。
兵士の近くで、ひとらんが刀を仕舞っている。
オスマンが首領に銃を向け、光のない目を見せていた。
『和平条約は無しですね』
「ひ…！た、頼む…っ」
『攻撃してきたのは貴方の国です。これは正当防衛。そしてこの会談は＿＿』
条約が記された紙をびりびりに破く。
そして彼女は氷の笑顔を見せた。
『貴方の宣戦布告に変わりましたね』
オスマンが引き金を引いた。
os「あー！せっかくの紅茶が台無しめう」
『ここの茶葉は好きだったのに』
os「あんな毒入れたら香りが変わるなんて当たり前！バレバレめう」
紅茶の毒に気づいたオスマンは、僅かな反応を見せ、Aに合図をしていた。
この国の茶葉は、オスマンのお気に入りの茶葉の一つだったのだ。
ht「A、無事？」
『大丈夫。ありがと』
ひとらんにかかった返り血を拭き取りながら微笑む彼女に頬が熱くなる。
os「ひとらんばっかりめう！俺もー！」
『はいはい』
クスクスと笑い、オスマンの頭を撫でた。
外交や会談に強い二人。
頼もしい部下だなぁ、と彼女は思う。
『帰ろうか。口直しにオスマンの淹れた紅茶が飲みたいな』
os「幾らでも淹れるめう！Aのためなら！」
ht「マンちゃん、俺も飲みたい」
os「任せろめう！」
『帰ったらお茶会だね。美味しいお菓子を用意するね』
ht「Aのお菓子？楽しみだな」
os「あれ絶品めうー！」
部屋では血が流れた首領と兵士。
そして、淹れたての紅茶。
彼女は、二人の部下により、脅威から守られた。
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カスタード - 今更感パないけど、22ページの奴、[付き人と（取り）憑かれた人］なのかな？ (2020年6月5日 16時) (
レス) id: 7ad0432a29 (このIDを非表示/違反報告)
1 - 学校パロがどストライクすぎてやばい。 (2020年5月11日 3時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 「ジェイソンと手を組仲間を売っている青年」ってwショッピ君ですよねww? (2019年2月14日 13時) (レス) id: 3cb2acd302 (このIDを非表示/違反報告)
くう(プロフ) - 続編……！！！ありがとうございます！！！楽しみにしてます！！！ (2019年2月5日 19時) (レス) id: 295f716bc6 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続編希望します！主との掛け合いが特に好きです！頑張ってください！ (2019年2月2日 15時) (レス) id: 71789b4f54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らすとうさぎ | 作成日時：2019年1月12日 21時
