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朝、目が覚めて朝ごはんを準備してくれているお母さんに「おはよう」と声をかける。
「ご飯できてるわよ」
朝食を食卓に並べてくれてお母さんと向かい合ってご飯食べていると付けていたテレビを見ながらお母さんが言った。
「ジスくんも忙しいのね、今は。会えてないんでしょ?あれからしばらくの間」
お母さんの言っている言葉の意味が分からなかった。
目が覚めて部屋の景色を見たときと同じような頭の痛さがする。
知らない人と映った笑顔の写真がたくさん貼られていて思い出そうとすればするほど頭が痛くなる。
今もそう。
お母さんの言葉を理解しようとすればするほど頭が痛くなる。
「A.....??」
何も答えない私のことを青ざめた顔で覗き込んでくるお母さんを見てもこの状況が理解できない。
「日記は見てないの?」
「日記?」
お母さんが慌てて立ち上がって私の部屋から日記を取り出してきた。
「あなたが毎日書いてるものよ。これを見て何か思うことはある?」
恐る恐るパラパラと中を見ていくその手は震えていて、理解していなくても体は何かを覚えているようで感覚として恐怖を感じた。
「何もわからない.....」
その日記に出てくるジスはお母さんがさっき言っていた彼と同じ人なのだろう。
私には家族以外に大事な人がいたの....?
「ホントに何も思いだせないのね」
嫌な予感はするけれど本当のことだから素直に頷くしかない。
お母さんは「分かった」と言って立ち上がり誰かに電話をし始めた。
「あ、もしもし、ジスくん?今時間はある?」
それだけが聞こえてきてあとは庭でお母さんとジスくんとやらが話しているのを眺めていた。
妙な虚無感。
なんだか分からないけど急に襲ってくる寂しさ。
電話をし終えて戻ってきたお母さんは涙を流していたようだ。
「A....お話しましょうか」
それからお母さんと長い時間私自身のことについて色々と話した。
ジスくんとやらの人とのことも聞かされた。
さっき感じた寂しさの正体はこれだったのだろうか。
だけど、今度は得体の知れない恐怖と知らない人の話を聞かされたストレスで気持ち悪くなってきた。
そのまままたベッドに連れて行かれて気持ち悪さから逃げるかのように眠りについた。
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miwol(プロフ) - るるるさん» いえいえ!終わりを迎えさせていただきました!ここまで楽しく読んでくれてありがとうございました!思ったようなエンディングを迎えてあげることができず....またシュアを書ける機会があれば幸せなシュアをご提供しますね^_^ (2020年7月26日 23時) (レス) id: 1e4145c4eb (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - miwolさん(*^^*)お返事ありがとうございます…!シュア編…彼の純愛に私まで涙が…(TT)あともう少しで終わってしまうのは寂しいですが、楽しみにしています…! (2020年7月25日 23時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
miwol(プロフ) - るるるさん» コメントありがとうございます!シュアペンさんなんですね!ごめんなさい..実はもうこのお話はこのまま終わらせるつもりで...この後少しシュア編を付け足していくのでそちらでお楽しみいただければと... (2020年7月22日 0時) (レス) id: 1e4145c4eb (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます!ジョンハンの長編から読ませていただいて、一気に読んでしまいました!素敵なお話ですね(*^^*)シュアペンなので、幸せになってほしいです… (2020年7月20日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miwol | 作成日時:2020年2月1日 23時