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さっきジスが丁寧に特徴と名前を教えてくれたみんなとランチをすることになっていた。
私にとっては緊張する時間だ。
知らない人と食事をするような気持ちだし、下手に何かに感づかれることも怖いし。
だけどそんな私の気持ちは必要なかったかのように楽しい時間を過ごすことができていた。
「ちょっとお手洗いに行ってくるね」
そう言って立ち上がりお手洗いに行って戻ってきた時、彼らの話している内容が聞こえてきてしまった。
「気がつかないわけないだろ。初めて会ったときのAみたいだもん。人見知りされてる感じ。もう今更何を言われたって覚悟はできてる」
思わず涙がこぼれた。
これだけの変化にもあっという間に気がついてくれて、私のことをよく分かってくれている人たちのことをすっかり忘れてしまっただなんて。
「あ...Aヌナ...」
立ち尽くしている私に気がついたスングァンが私に近寄り手を引いて席まで戻してくれた。
「ごめん、聞こえちゃったよね...」
「スンチョルには話すつもりだった、この後...」
「いや、泣かすつもりでもなかったし、悪い意味じゃなくて、その...俺たちも家族みたいなものだから遠慮はしないでいいんだよってことで」
「ヌナ、正直に話して。覚えてるメンバーはいる?」
「ごめんなさい...ジスしか覚えてないの...」
「思い出の数が違うもんな。話してくれてありがとう。もう無理して俺らに会わなくてもいい。辛いもんな、知らない奴らに会うのは。他のメンバーには俺からしっかり話しておく。それで良い?」
どう答えて良いものか分からなくてジスを見ればコクコクと首を縦に振ってくれている。
視線をスンチョルに合わせてコクッと小さく頷いた。
「Aヌナ、最後に一つだけお願い聞いてもらっても良い?」
「ん、なーに?」
「あー、これはシュアヒョンにも確認取らないとか。シュアヒョンもヌナもお願い聞いて。ギュってさせてください、最後に」
ディノが寂しそうな顔でそう伝えてきた。
正直に戸惑ったけど、ジスが頷くからゴメンなさいの意味も込めてギュッとハグをする。
サヨナラの時間、なんだか妙に寂しくて俯いていれば「Aヌナ、そんな悲しい顔しないで。沢山の幸せな時間をありがとう。僕たちがその思い出を守っていくね」とスングァンが笑って言ってくれた。
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miwol(プロフ) - るるるさん» いえいえ!終わりを迎えさせていただきました!ここまで楽しく読んでくれてありがとうございました!思ったようなエンディングを迎えてあげることができず....またシュアを書ける機会があれば幸せなシュアをご提供しますね^_^ (2020年7月26日 23時) (レス) id: 1e4145c4eb (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - miwolさん(*^^*)お返事ありがとうございます…!シュア編…彼の純愛に私まで涙が…(TT)あともう少しで終わってしまうのは寂しいですが、楽しみにしています…! (2020年7月25日 23時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
miwol(プロフ) - るるるさん» コメントありがとうございます!シュアペンさんなんですね!ごめんなさい..実はもうこのお話はこのまま終わらせるつもりで...この後少しシュア編を付け足していくのでそちらでお楽しみいただければと... (2020年7月22日 0時) (レス) id: 1e4145c4eb (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます!ジョンハンの長編から読ませていただいて、一気に読んでしまいました!素敵なお話ですね(*^^*)シュアペンなので、幸せになってほしいです… (2020年7月20日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miwol | 作成日時:2020年2月1日 23時