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宿舎に私が来るとみんな気を遣って別階の宿舎に行ってくれるようになっていた。
「写真、お母さんが送ってくれたんだ、おいで」
ジスの部屋に連れられて「適当に座っていいからね」と言われたけどジスは他人にベッドの上に座られたりするのを嫌がるのを知っている私は遠慮気味に床に腰を下ろした。
「そんな冷たいとこに座ってないで、ほら、ここおいで」
手を伸ばして私の手を掴んで自分が腰を下ろしたベッドの上に座るように促された。
「他人にベッドの上に乗られるの好きじゃなかったんじゃないの?」
「わっ、そんなこと覚えてくれてたの?なんか嬉しいけど複雑な気持ちになるようなこと覚えてるね。もうメンバーのおかげで慣れたし、それにAは他人じゃないでしょ」
目線が合えばニコッと微笑んでくれるから恥ずかしくてそっぽを向いてしまう。
「こんなにたくさん送ってくれたんだけどさ、見てこれ。懐かしくない?」
一番最初に見せてくれた写真は教会の聖歌隊メンバーの写真であいにく、二人だけではなくて何人かが映り込んでいた。
私自身は分かるんだけど、何人かいる男の子の中でどれがジスだかわからない。
明らかにアメリカ人の男の子を除けば何人かに絞れるんだけど...
「この頃さ、仲良くなったマークのこと覚えてる?お母さん達が俺とマークがそっくりだって言ってたことあったじゃん」
その話すらも思い出せない。
少し話に合わせられないことに焦り出してしまったのか、何を思ったか当てずっぽうにジスだと思う子のことを指さした。
「ジスホントにかわいいね」
少し怪訝そうな顔をして私のことを見てくるから間違いであることに気がついた。
「あっ、間違えた、この子じゃないね、この子だね」
正直3人東洋系の子がいるだけだったから3分の1の確率で当たるだろうと思っていたんだけど。
「もしかして写真見せてって言ったのはそういうこと?」
もうバレてしまった。
この状況に何も言い訳もできず、反論もできず、ただただ黙り込むことしかできなかった。
「ちょっとこっち向いて」
下を向き続ける私の両方をジスが掴んでジスの方に体ごと向かされた。
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miwol(プロフ) - るるるさん» いえいえ!終わりを迎えさせていただきました!ここまで楽しく読んでくれてありがとうございました!思ったようなエンディングを迎えてあげることができず....またシュアを書ける機会があれば幸せなシュアをご提供しますね^_^ (2020年7月26日 23時) (レス) id: 1e4145c4eb (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - miwolさん(*^^*)お返事ありがとうございます…!シュア編…彼の純愛に私まで涙が…(TT)あともう少しで終わってしまうのは寂しいですが、楽しみにしています…! (2020年7月25日 23時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
miwol(プロフ) - るるるさん» コメントありがとうございます!シュアペンさんなんですね!ごめんなさい..実はもうこのお話はこのまま終わらせるつもりで...この後少しシュア編を付け足していくのでそちらでお楽しみいただければと... (2020年7月22日 0時) (レス) id: 1e4145c4eb (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます!ジョンハンの長編から読ませていただいて、一気に読んでしまいました!素敵なお話ですね(*^^*)シュアペンなので、幸せになってほしいです… (2020年7月20日 16時) (レス) id: f77ccef066 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miwol | 作成日時:2020年2月1日 23時