ワンコに拾われました。3

144.-ミンギュ- ページ44

駅で待ち合わせをしていたミンハオを見つけて大きな声で呼びながら大きく手を振れば恥ずかしいからやめろと止められる。



「キマってるじゃん」



「Aヌナがヘアセットしてくれた」



最後となる大学までの道のりをを親友と並んで歩く。



まだ赤い蕾をつけたままの桜が頭上で卒業をお祝いしてくれているようだ。



「考えてるんだろ？これからのこと、しっかりと」



ミンハオがなんの前触れもなく突然そんなことを言い出す。



「ん？仕事のこと？」



「違う、Aヌナのこと。俺たちの結婚式で感化されてただろ。どうなんだよ、実際」



「結婚とかそう言うのはまだ先の話だとしてもずっと隣にいて欲しい気持ちはすぐにでも伝えたいなって思ってる」



「婚約者にするってことだ」



実は2人の結婚式の前から思っていたこと。



この先、Aヌナじゃない人が隣にいることなんて考えられなくて、Aヌナには隣でずっと笑っていて欲しいと思っていた。



「実はさ、今日タイミングがあれば伝えようかなと思ってるんだ」



「そんなカミングアウト、今するか？」



卒業式が終わって一旦家に帰ったときにでも気持ちが高ぶって伝えられてしまうのではないかなんて甘い考えかな。



そんな簡単にすませるようなことではないかもしれないけど、そんなに大きな話でもない気がして。



そんなことをミンハオに伝えるとAヌナは些細なことでも喜んでくれるいい子だから案外そんな風にカッコつけない伝え方の方が嬉しいのかもよなんて言ってくれた。

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