ワンコに拾われました。3

140. ページ40

ガチャっと扉が開くとベールを被ったリアがお父さんと一緒に幸せそうな顔をして入場してきた。



そんな2人のことを優しく見守るミンハオくん。



「見て、ミンハオのこと。あいつ、緊張すると手のひらをグッと握りしめる癖があるの。あいつ、めっちゃ緊張してるよ、今」



隣でコソッと耳打ちをしてきたミンギュのその言葉にミンハオくんの手を見てみると血管が浮き出るほどに強く握りしめていた。



無事に結婚式は進み、いよいよ誓いのキス。



リアのベールをそっとめくりあげてじっと見つめ合う2人を見ると変な緊張感に襲われる。



リアが言っていた。



ミンハオくんは照れ屋だから誓いのキスを口じゃなくておデコにしてくるはずだと。



その言葉通り、ミンハオくんはリアのおでこにキスを落とした。



なんだかその控えめな感じが微笑ましい。



でも次の瞬間、リアの驚きの行動に一同がざわついた。



「おいっ、わっ、バカ！」



慌てたミンハオくんがつい少し大きめの声でそんなことを言ってしまうくらい。



おでこにキスをしたミンハオくんの肩を掴んで背伸びいっぱいに唇にキスをしたリア。



一瞬ざわついた会場もリアのそんな様子に笑いが起こる。



「僕たちもあれやる？」



隣でバカなことを言っているミンギュのことをバシッと叩いて「しっ、うるさい！」と言ったけど、そういう未来を描いてくれているのかなと少しの期待が膨らむ。



式が終わると周りのみんなはさっきの誓いのキスの話で持ちきりだった。

141.→←139.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す