ワンコに拾われました。3

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「実はさ、この前Aの彼氏に出くわしてさ」



喧嘩の時にミンギュが言っていたのは本当だったようだ。



「すごい威圧的な視線で挨拶してくるもんだからこっちもイラッときちゃってさ、つい言っちゃったんだよね」



「ん？何を？」



「まだAのことが好きだって」



「はー？！」



思わず大きな声が出てしまって、キョロキョロ周りに人がいないか確認して口をふさぐ。



「ちょっと！もういろいろ意味わからないんだけど！」



たしかにミンギュと付き合う前にスニョンはこんな私に告白をしてくれて、それが本気だったってこともわかってる。



だけど、それは私の中では昔のことでその気持ちだってもう忘れ去られていると思っていた。



「気持ちは吹っ切れたつもりだったんだ。もう卒業以来会ってなかったから。だけど、やっぱり会っちゃうとさ、あの時の気持ちって思い出しちゃうもんなんだよな」



「だよなって...」



「どうしたらいい？俺のせいでAが辛い思いしているかもしれないって今更後悔してて。謝りたいんだ、Aの彼氏に」



「うーん、実は昨日から喧嘩してて。まだ私たちも仲直りできてないの。だからその話は一旦保留にさせてもらってもいい？」



「それも俺のせいだよな...ホントにごめん」



「いや、スニョンだけが悪いわけじゃないんだし。こっちこそごめんね、嫌な気分にさせて」



あんなに怒っていた理由がわかった。



ミンギュが意味もなく、自分自身の感情のために嫉妬するような人ではないということはわかっていたではないか。



やっぱり謝らなくちゃいけないのは私の方からだ。

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