＊Don't wanna lie and cry again＊ (ページ9)

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episode9 ページ9

先輩とのことは意外にもあっさりと解決した。

自分でも予想していなかった終わり方を迎えた。

次の日、会社に着くと俺よりも先に出勤していた先輩がそっと近づいてきて「ちょっと...」と呼び出してきた。

「どうかしましたか？」

「いや、あの、謝りたくて」

この言葉で彼女のことだろうと確信した。

「Aちゃんのこと、しつこく食事に誘ったりしてたんだ。なんか最初は断られたのにムカついてしつこくしてたんだけど知らないうちに本気になってた。お前がいること知りながら申し訳ない」

「え...あの、急にどうしたんですか？心変わりというか...」

「ミンギュから注意されて。一昨日、見られちゃってたみたいでさ、彼女のこと誘ってるところ。あまりにも情けなくてさ、自分が」

なんだか不甲斐ない終わり方だななんて思ってしまった。

自分の彼女のことを守ったのが俺じゃなくてミンギュだなんて。

まぁ、でもこれでAの心配事もなくなるのかと思えば安心はするんだけどさ。

もちろんその後、休憩の時間はミンギュを捕まえてこの話をした。

「あのさ、あいつのことありがとな。先輩から謝りに来てくれた。ずっと続いててストレス受けてたみたいだったんだ」

「え、一昨日だけじゃなかったの！？」

「うん、気がついてやれなかった。昨日ようやく話してくれて俺も今日先輩と話そうと思ってたとこだったから...」

「そうだったんだぁー。一昨日その場で先輩の手掴んでやめてあげてって言おうかと思ったんだけど、先輩もAちゃんの前でそんなの嫌だろうなとか思っちゃってすぐに行けなかったんだ。ごめんね、ヒョン」

「いや、お前が謝ることじゃないだろ。まぁ、でもなんか不甲斐ないよな。彼氏のくせに自分の彼女助けてあげられなくて年下のお前に救われてるの」

「Aちゃんもヒョンこと考えて言えなかったんでしょ？最近ヒョンも忙しくて会えなかったのなら仕方ないでしょ。まぁ、お礼にヒョンが居てもいいからAちゃんと飲みに行きたい！」

「なんでそこに落ち着くんだよ」

「だーかーらー、ヒョンが居てもいいからって言ってるでしょ？ね？ダメ？ウォヌヒョン、だめ？？」

「あいつに聞いてみる」

きっとAなら喜んでいくと思うけどな。