＊Don't wanna lie and cry again＊ (ページ40)

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episode41 ページ40

「ねぇ、見て見て！あの子、ミンギュみたいじゃない？」

久々のデートで何をするか考えた挙句、最近できた新しいショッピングモールに出かけることになり、通りがかったペットショップで足を止めたA。

ショーケースの向こう側にいるゴールデンレトリバーの子供を指さし、反対の手では俺の服を引っ張りながら歩いてるA。

「かわいいなぁ、モッフモフだね」

「ミンギュはこんなに可愛くないだろ」

「可愛いよ、なんか、こう、こねくり回したくなる感じ！わからないかなぁ、こんな感じ」

そう言いながら目の前でワンコをわしゃわしゃ撫で回すような動きを見せるからおかしくて。

「それ、きっと本人に言ったら怒るな」

「えー！褒めてるのに」

今度、話のネタにしようと思いながら心の中にそっとしまっていく彼女との会話。

喧嘩したあの日から、何気ないこんな会話だって一つ一つを大切にしたいと思った。

そんな小さな思い出が積もっていけば、その分また愛しさが募っていく気がした。

あまりに一生懸命そのゴールデンを見ているものだから、「抱っこしてみます？」なんて店員さんに声をかけられた。

「良いんですか？」

「はい、もちろん！」

抱っこさせてもらって、「わぁー、あったかい、かわいい」と嬉しそうにしている彼女を思わず写真に収めた。

「珍しい、ウォヌが私のこと写真に撮ってくれるなんて」

「そうか？」

「ウォヌも抱っこしてみなよ！」

今度はこちらにワンコを預けて俺のことをパシャパシャと写真に収めて満足そうにしている。

「なんでそんなに嬉しそうなの？」

「かっこいい彼氏だなぁって、改めて」

そんな恥ずかしいことを店員さんの前で言うか、普通。

「ありがとうございます」

恥ずかしいから抱っこしていたワンコを店員さんに預けて、Aの手を引いてその場を離れた。