episode40 ページ39
それから何週間かお互いに仕事も忙しく、休みの日も予定があったりでなかなかデートをすることができなかった。
正直、一緒の家に住んでるとデートらしいデートなんてしなくなるもので、それが少し寂しくもあった。
久々に2人で出かけたくてソワソワしながら、ある日の寝る前の時間に誘ってみた。
「なぁ、久しぶりにどこか出かけないか？」
「なになに？それってデート？」
ニコニコと嬉しそうにそう聞いて来るAに「そうだよ、ダメか？」なんてぶっきらぼうに答えてしまう。
あの喧嘩について、謝ったけど心のどこかにまだ申し訳ない気持ちが残っていて。
彼女のことを疑ってしまった罪悪感だろうか。
だからやっぱりデートをしたくて。
「そうだなぁー、ウォヌが真剣に誘ってくれたら言ってあげてもいいけど」
「真剣だろ、今のも十分」
「ちーがう！出かけないか？じゃなくて、デートしてって言ってよ、せっかくだから」
「そんな小っ恥ずかしいこと言えるかよ」
「えぇ、じゃぁ、行かなーい」
「めんどくさいなぁ」
「もともと めんどくさい奴なんですー。ねぇ、お願い！一回だけ、一回だけでいいから言ってよ。私もウォヌとデートしたいんだからー！」
ユサユサと俺の体を揺すりながらまるで駄々をこねる子供みたいに。
「頼むから揺するのやめてくれない？わかったから」
ピタっと止まった動きに妙な緊張感を感じて。
「お願いがあるんだけど、デートしてくれない？」
ここ最近では珍しく、目線を逸らして照れてるA。
「どうする？デートする？しない？」
「し、し、します！！！」
「ははっ、なんだそれ。よし、じゃぁ、なにしたいか考えといて。なければ一緒に考えよう」
「うん、わかった」
「ん、じゃぁ、おやすみ」
隣に寝ているAのおでこにチュッとキスをして、抱き寄せながら眠りについた。
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作者名：miwol
| 作成日時：2020年4月28日 0時
