episode38 ページ37
ミンギュがあまりにも酔っ払ってるから仕方なく家まで送り届けることにした。
電車に乗って行かないとで少し遠いけど、こんなにしてしまってのは自分のせいかもしれないという罪悪感もあって。
無事に送り届けて電車を待つ間、時計を見ればもう23時半を回っていた。
「あー、ヤバイ、何も言ってないや...」
電車から降りれば少し足早に家に向かう。
だけど電気もついていなくて、Aが家にいる気配がない。
「あれ、まだ帰ってないや」
暗い部屋の中にはヤオンイが寂しそうに蹲っていてほったらかしにしてしまって申し訳なくなる。
「ごめんな、お腹減ったよな。今準備してやるからちょっと待ってろよ」
慌ててご飯を準備してあげれば、相当お腹を減らしていたのか がっつくように食べ始めた。
流石にこんな時間まで仕事してるのか不安で電話をかけてみたけど繋がらない。
気持ちが焦って会社の方まで出向いてみようかと家を出た瞬間、びっくりした顔で突っ立ているAと会った。
「遅くなるなら連絡しろよ！」
「え、ごめん、電話したんだけど繋がらなくて...」
「繋がらないならメッセージ送るとかあるだろ？」
「なんで怒ってるの？どうしたの？ちょっと、大きな声出さないでよ。中入ろう、中入ってから話そう」
促されるままに部屋の中に入って、それでもまだ怒りが収まらなくて。
「仕事ってこんな遅くなるのか？」
「他に何があるって言うの」
「なんで受付の仕事がそんな遅くなるの？」
「そんなことに怒ってるの？ちょっと幼稚じゃない？」
「幼稚って何だよ」
「ねぇ、何でこんなことで喧嘩しなきゃいけないの？ちょっと変だよ、ウォヌ」
「こんなこと？俺がどれだけ心配したと思ってるの」
「もしかしてお酒飲んできた？」
「だったら何？」
「酔っ払ってるの？」
「酔ってなんかない。冷静だよ、こっちは」
「ごめん、疲れてるんだ...ケンカはまた今度にしよう」
Aの一言一言になんだかイラついて、こんなふうに大きな声を出して怒るタイプではないけど、なんだか無性に腹が立って。
自分でもAが悪くないことなんてわかってるのに折れることができなくて、自分の大人気なさにもガッカリした。
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作者名：miwol
| 作成日時：2020年4月28日 0時
