episode37 ページ36
「ヒョーン、もう1軒行くでしょー？」
大きな声でそんなことを言いながら隣を歩く俺にもたれかかってくるミンギュ。
ここまで酔っ払っているミンギュを見ることもないからなんだか珍しいけど、なんだかめんどくさい。
「お前どんな状態かわかって言えよな」
「大丈夫だって！久しぶりにヒョンと一緒に飲んでるから楽しいんだって！だから！もう1軒行くよね？！」
「あー、そんなデカイ声で話さなくても聞こえてるから。どこ行きたいんだよ」
「ふふー、オヌヨン大好きー！！！」
「わぁー、こんなところでやめろって！！！」
デローンと寄り掛かってきて、口をつぼませてこちらに顔を向けてくるから全力で引き離す。
おかげで周りの人たちに変な目で見られてしまったじゃないか。
「カラオケ！カラオケ行こう！」
近くに見つけたカラオケ店に入ってデロデロのミンギュは楽しそうに曲を選び始めた。
「何歌う？あっ、そうだ！ヒョンが歌うあの歌が好きなんだー！歌ってくれるよね？」
勝手に音楽を入れて、マイクを渡されて、聞こえてきた懐かしい歌をマイクを通して歌っている俺よりも大きな声でミンギュも歌ってる。
「そんなに酔っ払ってるの珍しいじゃん。何かあったのか？」
「ん？何もないけど？」
「ならいいけど...」
「もしかしてヒョンが僕のこと心配してくれてるの？？え、心配してくれてるの？」
「そうだよ、明日の仕事に響かないようにな」
「えー、素直じゃないなぁ。きっとAヌナに対してもそんなんなんでしょ。素直になると楽だよ」
「まだカッコつけたいと思ってるくらいあいつのことが好きだってことだよ。お子ちゃまには分からないだろ」
「お子ちゃまって1歳しか変わらないじゃん！！」
「わっ！バカ！耳キーンってなっただろ！」
バカな大きな声でマイク通してそんなことを言わなくても。
「僕も早くそんな人と出会いたいなぁー」
「お前ならすぐに見つかるだろ」
「えー、なんか今日は素直だねー」
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作者名：miwol
| 作成日時：2020年4月28日 0時
