episode30 ページ29
ご飯の支度をしようと思ったけどまだしばらくご飯にできなさそうだからAの帰りを待つことにした。
「おっ、大人しくしてるんだな」
お風呂場に顔を出せば桶の中にスッポリ収まって丸くなっている子猫と目があった。
「ニャー」
愛嬌のある小さな声で鳴く子猫が無性に可愛く思えてくる。
「俺たちが大事にしてあげるからな」
そっと手を伸ばしてみても怖がりもせず「ニャーニャー」と人懐こい声を出しながら擦り寄ってくる。
「ホントに可愛いな」
そんなことをしていれば思ったよりも早くAが帰ってきた。
「ただいま！」
「おかえり。無事に買えた？」
「うん、とりあえずご飯とトイレシートだけ買ってきた。どんな感じ？」
「ん？めちゃくちゃ人懐こくて可愛いな。癒されてた」
「あはは！ウォヌ、意外と猫と戯れてるの似合うかも！可愛いもんね、この子」
「ご飯今から作るから先にお風呂入っちゃえば？」
「うん、じゃぁ、そうしようかな。ウォヌ、この子にご飯とお水あげといてくれる？」
「わかった」
抱っこしてリビングに戻り降ろしてあげればスタスタと部屋の中を歩き回っている。
ちょうど良い器を探してきてキャットフードとお水を準備してあげればすぐに近寄ってきて口にしてくれた。
「トイレはここだからな」
そう言いながらトイレシートも広げてあげると分かってるのか「ニャー」と鳴いた。
「さて、俺たちのご飯も作るか」
キッチンに戻って料理をし始める。
なかなかに久しぶりでどこかぎこちないけど、着々と準備をしていく。
しばらくすればいつの間にかお風呂から出てきたAがご飯を食べ終わって床でゴロゴロしてた子猫と戯れている。
かと思えば急に大人しくなったから見てみればソファに座ってテレビを見始めていた。
「もうすぐできるから待ってて」
「はぁーい」
あと少しでご飯が出来上がるというとき、さっきからテレビにも飽きたのか後ろから「ウォヌー！こっち来てよー！」なんて聞こえてくる。
しばらく無視をしてご飯の支度を進めていればさっきまでしつこく俺のことを呼んでいたのが急に静かになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miwol
| 作成日時：2020年4月28日 0時
