＊Don't wanna lie and cry again＊ (ページ20)

今日:29 hit、昨日:7 hit、合計:40,141 hit

episode21 ページ20

二人ともお腹を満たしたら今度はシャワーだけ浴びて行くことになった。

帰ってきてダラダラしてしまったら色んなことがめんどくさくなってしまうから。

先にシャワーを浴びて出てきたAに早くしっかり髪乾かすように促せば今度は俺が入るときには乾かし始めている。

お風呂から上がれば髪を乾かし終えてソファでだらだらしているA。

「ねぇー、ウォヌー、お散歩今度にする？」

「ご飯食べてお風呂入ったらめんどくさくなったんだろ？」

「あ、バレた？でもこうやってソファでお話しするのも変わりはないかなーって」

「だーめ。今日はミンギュに借りを作ってまで早く帰ってきたんだから。ほら、立って」

先に立ち上がりAの手を引っ張り上げる。

「今日、空が綺麗なの知ってる？星が見えるかもよ。ほら、綺麗な空見に行こう」

「うん、行く」

少し機嫌が戻ったのかようやく立ち上がってくれて二人で外に出た。

さっそく空を見上げれば灯りの多い街中ではイマイチ星空は見えないようだった。

だけどその代わり大きな丸い月が俺たちを見下ろしていた。

「いつもの散歩コース歩くか」

「ふふっ、なんか犬の散歩みたい」

「そうだな、お前の散歩だな、これは」

「え、犬って私なの？ウォヌじゃないの？」

さっきまでめんどくさそうにしてたのに、さっきとは打って変わって笑顔で楽しそうに話してくれている。

寝静まりかえった街を歩いて少し遠くまで来れば街中よりも少し涼しい風が吹き抜けて行く。

「お風呂上がりのウォヌって一番好きかも」

「何だそれ。普通に素朴な感じってこと？」

「うん、そうかな。髪もセットしてないでこんな風にラフな格好してるのを見ることできるのって家族と私くらいかなって思うと好きだなーって」

「たしかに。でもそんなこと言われちゃうとなんだか急に恥ずかしいな」

「なんでよー」

一方で俺もフワッとAのシャンプーの香りが風に乗って漂ってきて、同じ匂いがすることに幸せを感じる。

言わないけどこっそり感じる幸せだ。