episode19 ページ19
一緒に暮らすようになってからは話す時間も増えて忘れてしまっていたけど、最近また少しお互いの出勤や退勤時間が合わなくて思い出したことがあった。
「なぁ、ノー残業デーまた始めるか？」
「そんなことあったね」
「今日からまた始めない？二人でゆっくり話せる時間、欲しいななんて思ったんだけど」
「うん、じゃぁ、今日は仕事しっかり切り上げてくるね」
久々のノー残業デー。
二人でする夜の散歩は穏やかな時間で好きだった。
だけどそんな時に限って仕事が山積みで、約束の時間に帰れるかいよいよわからなくなってきた頃、ミンギュがそんな俺の様子に気がついた。
「ヒョン、もしかして今日予定があるの？」
「あー、あるっちゃあるんだけど、自分勝手な都合っていうか....」
「ヒョン、俺に借りでも作る？」
「なんか嫌な予感するんだけど」
「最近会わせてくれないじゃん、Aヌナに！会わせてくれるんなら残業引き受けてあげても良いよ！」
嫌な予感は的中した。
「いいよ、別にそんな引き換え条件付きなら。もっとまともなこと言えないのかよ」
「今日の予定もAヌナなんじゃないの！？いいの？そんなこと言って」
うっ.....痛いところを突かれたというか、確かにこの状況で頼れるのはこいつだけで。
約束をしたわけだし、俺から言ったことだし。
「じゃぁ、借り1で....」
「オッケー！じゃぁ、ヒョンは時間になったら上がっていいからねぇー！ここは貸しで」
「はぁ、ありがとな、ミンギュ」
ミンギュのおかげで会社を抜け出すことができて、慌てて家に帰れば少し前にAは帰ってきていたようだ。
「ただいま」
「おかえり！今ちょうどご飯作ろうと思ってたところ。ご飯食べてから散歩行こう」
エプロンをつけてキッチンで手際よく料理をしているAのとこに行けば、鼻歌を歌いながら楽しそうに料理をしている。
「楽しいの？」
「うん、楽しいよ。好きな人に料理してあげられて、美味しいって言ってもらえるかなって想像しながら作るの」
そんなこと思いながらいつも作ってくれてたのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miwol
| 作成日時：2020年4月28日 0時
