＊Don't wanna lie and cry again＊ (ページ18)

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episode18 ページ18

同棲をし始めてみたらAのことがさらに好きになった。

お互い仕事で忙しいから出来ることを見つけたら率先して家事をしようと決めたのに、料理は遅くなっても大丈夫ならと作ってくれる。

ゲームをしてても怒らないで、むしろ隣に来て一緒に楽しんでくれる。

Aはホラー映画が苦手みたいだけど驚いてるのを見るのがなんだか好きで無理やり見せれば夜中トイレに行きたいけど一人じゃ怖いから起きて待っててと起こしてきたり。

会社で残業するんだったら少しでも俺と同じ空間に居たいからと仕事を持ち帰ってきて残業手当も出ないだろうに仕事をしたり。

つくづく俺のことを好きなんだろうなというのが伝わってきて一緒に過ごすことが幸せだと感じた。

社内でもあっという間に同棲を始めた噂は広がった。

それもそうか。

帰りだけじゃなくて朝も一緒に来ることが増えたんだから。

同期の女子には「ウォヌって女の子に興味ないのかと思ってたのに好きな人には一途なんだね」とか言われたし。

それくらいには俺たちのことが知れ渡っていた。

同じようにAの会社でも広まっているようで、ある時仕事から帰ってきた彼女に聞いた話に驚いた。

「ウォヌってホントにモテるんだね」

「ん？なんのこと？」

「私もつい最近知ったんだけど、ウチのビルの会社でもウォヌがアイドル的存在だったんだって。見かけると自慢するくらい。アイドルだよ、ウォヌ」

「そーなの？まぁ、興味ないけど。俺にはお前だけだし」

「やだ、こんな話でもしてみるもんだね。ウォヌがそんなこと言ってくれるなんて」

話の内容も意外すぎて驚いたけど、俺はAのこの一言にも驚いた。

そんなに愛情表現できてないのかな。

「なぁ、女子って愛情表現はわかりやすくしてもらうほうがいいものなの？」

「いきなりどうしたの？」

「いや、なんとなく....俺の愛情表現じゃ足りないのかなって....」

「うーん、私には伝わってくるよ、ウォヌが私のことちゃんと好きなの。まぁ、言葉だったりで表現してくれれば一番分かりやすいのかもだけど」

なんて曖昧な答えが返ってきてしまったから結局心の中で引っかかっていた「愛してる」の一言は俺の中では物足りなくて伝えられなかった。