episode16 ページ16
飲み直しでもするかなんてお風呂入る前に言っていたのに髪の毛を乾かし終えたら二人して眠くなり始めた。
このまま寝る支度をして二人でベッドに直行した。
寝転がっているAの横で天井を見ながら何となくふと思ってしまった。
「なぁ、これが日常になったらどう思う？」
「ん？どういうこと？」
「一緒に暮らしてみるかってこと」
返事がなくて断られる雰囲気か、これはなんて思いながらそーっとAの方に顔を向ける。
するとバッチリ目が合って。
「同棲ってこと？」
「うん、そういうことだよな」
「口からの出まかせじゃないよね、それ」
「たぶんな」
「えー！じゃぁ、やだ！！無責任なこと言わないでよ！バカ」
じゃぁ、やだって何だよ。
本気って分かったら良いのかよ。
「今ふと思ったのには間違い無いんだけどさ。でも無責任なこと言ってるつもりはないよ。ホントにこんな風に隣に寝てくれたら、一緒に毎晩ご飯を食べてくれたら、テレビ見ながら笑い合えたらって思ったから。それってすごく幸せなことじゃない？それが幸せかもしれないって思えるんだから無責任じゃないだろ」
思ってたことを間髪入れずに話し続ければ無言のまま天井を見つめているA。
「これじゃ、ちゃんとした理由にならないの？」
「あまりにもその通りだなって思うこと言うから何も返せなくなっちゃった」
「それで返事は？」
「うん、一緒に暮らしてみる」
「ふっ、なんだよ、そのお試ししてみるみたいな軽い返事は。お前らしいな」
「お試しだもん。知らないよ、私の私生活に入るこむ事がどれだけ大変か。覚悟はできてる？」
「まぁ、猫一匹飼うみたいなもんだろ」
「わぁー、やっぱ無責任」
「なんでそうなるんだよ」
それでもなんだか楽しそうに嬉しそうに笑っている彼女を見ればこれは良い提案をしたんだなと思える。
「もうホントに眠いんだろ」
「うん、すっごく」
「楽しいのは分かったからもう寝るぞ」
「ふふっ、ウォヌありがとうー、大好き！！」
ギューっとくっついてくるからその肩を抱き寄せて二人で眠りについた。
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作者名：miwol
| 作成日時：2020年4月28日 0時
