＊Don't wanna lie and cry again＊ (ページ1)

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episode1 ページ1

彼女との出会いはありふれたものだった。

「ウォヌヒョンも来ますよね！？もちろん」

「いや、行かないって言ってるだろ、めんどくさい」

同僚のミンギュに無理やり連れてこられた合コンとやらで出会ったのが彼女だった。

いつまで経っても浮かない顔をしていたであろう俺に「もしかして数合わせですか？私もすこーし無理やり連れてこられたんです」とそっと声をかけてきた目の前に座った彼女の顔をそこで初めて見た。

ワイングラスを持った右手の薬指に光ったものを見て鼻で笑うように首を傾げた。

彼氏がいるのにこんなところに来るような男好きなんだと思って。

数合わせで無理やり彼氏持ちのやつが仕方なく来るはずがないだろう。

「あ...今私のこと軽い女だとか思いました？」

「うん、思った」

正直、ホントにここに来ること自体が嫌だった俺は女の人と話すことすらもめんどくさくて、目の前に座る彼女に対しても軽くあしらっておけばいい、そんな気持ちだった。

それからもみんなが楽しそうに話している輪にはそこそこ参加するだけで一人誰よりも早いペースでアルコールを流し込んでいた。

しばらくすると席替えが始まり、厄介なことに目の前に座っていた彼女が隣に来ることになった。

「今から弁解してもいいですか？」

「何を？」

「この指輪について、それにここにいる理由」

ものすごくめんどくさい人に捕まったと、この席になったことを恨めしく思った。

「どうぞ、お好きに」

「まず、この指輪はダミーです。彼氏なんていないし、今は彼氏とかいらないし、だからわざとそれらしいものを付けてるんです」

「嘘だろ、そんなの」

「嘘じゃないですってば！本当にここにも数合わせで来させられてるんです！だからウォヌさんの気持ちが分かって声かけたのに...」

「名前...覚えてたの？あんな素っ気なく挨拶しただけなのに」

「職業病なんですかね。仕事柄、人の名前覚えるの得意だし、まぁ、ウォヌさんの場合みんな覚えたと思いますよ、カッコいいから」

「その一言は誰にでも言うもんじゃないよ、こんなとこに来てるような女の子が」

正直、素直にそんなことを言ってくれていることに急に恥ずかしくなったから誤魔化したんだ。

それに笑顔が素敵で不覚にもドキッとしてしまったから。