★黎明期編�� ページ41
.
知り合ってしばらくして、おれが実況者である事を明かした。予想通り、Aは目を輝かせて「すげーな！カッコいいな！」と言ってくれた。
最初の頃はAに見せていなかった収録の様子も、実写動画を手伝ってもらったりして自然と居るのが当たり前になっていった。そのうち、Aも動画に興味を持ち出したのは極自然なことだったと思う。
A「あたしの方がマカロン上手に作れそう」
レ「ほな、マカロン動画撮ったええやん」
A「いや違うだろ。レトルトが作るからみんな観るんだろ。それにマカロン嫌いだし」
レ「嫌いなんかい！せやったら、なんかオリジナルのレシピとか作って上げたらどう？」
A「んー…オリジナルレシピってか、ズボラ飯でいいのかなあ？」
レ「ええやん！おれ撮影手伝うし！」
Aともっと繋がりが欲しくて、こっちの世界に引き込んだ。Aはチャンネルの名前を
「天上天下唯我独尊！」と決めた。
A「あたしの座右の銘だからな」
レ「謙虚さの欠片もないんやね」
A「そんな褒めんなよ〜」
レ「あと、アイコンになるキャラクター決めた方がええよ」
A「アイコン？」
レ「まあ、一目でそいつのチャンネルだな、って認識されるイラストというか。おれだったらこの、レトルトくんな」
うーん、とAは唸って、その辺にあった白い紙に油性ペンでサラサラとトラ模様のネコを描いた。
A「高校時代に自分の持ち物によく描いてた絵！ネコに似てるって言われるから」
レ「うん…まあええんやない？誰かと思いきりカブッとるけど。確かにAはネコみたいに自由で気まぐれやしなあ」
初めはオリジナルレシピやDIYを面白おかしく喋りながら紹介してたA。とにかく喋りがオモロいので徐々に注目されて行ったのも自明の理だった。
おれの影響でゲームアプリなんかの実況も始めて、出会ってから1年近く経ったある日。
おれは編集作業してて、Aはコタツで寝転がってレベル上げしてた時、インターホンが鳴った。
キ「近くまで来たから寄っていい？ってLINEしたのに返事ないから、直接来ちゃったー」
…マジか。今まで鉢合わせしないように気を遣ってきたんやけどな。まあ、そろそろ潮時かとは思ってたしな。Aも人気出てきたし、コラボとかもしたかったから。
レ「また急やなー。今、編集してたんや。適当に座って待っとって。あ、コタツん中、ネコがおるから気ぃつけてな」
それだけ言っておれは編集作業に戻った。コタツの部屋に、隠しカメラを仕込んで。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 691人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いりや(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます！何度も読み返してくださってるなんて書き手冥利に尽きてニヤニヤしちまいます🥴牛love勢なら続Friday nightの方に牛話追加してますのでよかったら🥰これからも是非よろしくです🐮💕 (2022年3月13日 22時) (
レス) id: fe9109aa31 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - ここまで何度も読み返したお話は初めてで、毎日楽しく読ませてもらってます！🌱もうキュンキュンし過ぎで幸せをありがとうございます…！！私も牛さん大好き勢です！！これからも更新楽しみにしてます！🥰 (2022年3月13日 20時) (レス) @page41 id: 278ea13efb (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - マレーシア聖人さん» お名前が気になりすぎますが、嬉しいです！ありがとうございますっ！頑張ります！ (2021年9月30日 21時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
マレーシア聖人 - この作品大好きなので頑張ってくださいっ！ (2021年9月30日 21時) (レス) id: f2663aa115 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - ひらぴつっさん» 参加しちゃってくださいな！でも甘口な気持ちで参加すると牛さんにどやされますよ！ (2021年9月6日 18時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いりや | 作成日時：2021年7月3日 10時
