【呪術廻戦】精一杯の声を君に【狗巻棘】 (ページ10)

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9話ページ10

高専に帰ってくると、また狗巻先輩に、硝子さんの所まで運んでもらった。

家入｢おお、どうした…って、A…｣

私を見るなり、硝子さんは呆れたような声を出した。

家入｢こんなになるまで、何をしたんだよ…｣

『あはは…呪霊に挟み撃ちにされちゃって。狗巻先輩が助けてくれなかったら、死んでました』

家入｢そうか。棘、Aを助けてくれてありがとうな。ここにAを置いてくれ｣

狗巻｢つな｣

狗巻先輩は少し自慢げな顔をしながら、私をベッドの上に寝かせた。

家入｢さて、じゃあじっとしててな｣

言われた通りじっとしていると、傷がみるみる閉じていった。

家入｢よし、これでオッケーだ。ただし、今日は一日安静にしてろよ｣

『ありがとうございました。そうします』

そう言って起き上がり、自室に戻ろうとすると、また狗巻先輩に抱き上げられた。

『ちょっと、狗巻先輩！もう1人で歩けますって！』

狗巻｢おかか！｣

『えええ…』

家入｢安静にしてろって言っただろ。棘に運んでもらえ｣

『ううう…分かりました。失礼します…』

狗巻｢ツナマヨー｣

パタン。

家入｢…ハハッ青春だな｣

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『…お腹空いたなあ…』

自室の前まで狗巻先輩に運んでもらった後、私はずっと部屋のベッドでゴロゴロしていた。

何か作って食べたいけど、動くと傷があった部分が痛むから、あまり動きたくない。

かと言って、食べないと朝まで空腹のままだしな…

(仕方ない。野薔薇ちゃんに何か買ってきてもらうか)

そう思ってLI⚫Eを開き、野薔薇ちゃんにメッセージを打っていると、コンコンとドアをノックされた。

『どうぞー』

そう返事をすると、野薔薇ちゃん、虎杖くん、そして伏黒くんが部屋に入ってきた。

釘崎｢やっほー、Aちゃん。怪我は大丈夫そう？｣

『うん、大丈夫だよー。で、どうしたの？』

起き上がりながらそう聞くと、虎杖くんにファ⚫マの袋を渡された。

中には、お弁当が4人分。

虎杖｢A、ご飯まだだろ？一緒に食べよーぜ｣

『わあ、ありがとう！』

でも、なんで傷のこと知ってるんだろ…

私の心を読んだかのように、伏黒恵くんが説明してくれた。

伏黒｢グランドで授業してる時に、狗巻先輩に運ばれてるところを見たんだよ｣

そ、そうなんだ…

それはそうと、この気遣いは嬉しすぎるよ…

釘崎｢お腹すいたー。早く食べましょ｣

『うん！私もお腹ぺこぺこー』